日本人に比べてフランス人はジェスチャーが大きい。話しながら気持が高ぶってくると、手、腕、眼、鼻、首、おなかまでが使われる。会話に、単にコトバだけではなく、身振りも関わってくるのだ。そんなジェスチャーが、フランス語には乏しいさまざまな擬音語のかわりをつとめている。
それだけでなく、コトバとジェスチャーが一つになった、多少コジツケ気味の表現にもこと欠かない。字義通りに解釈すると、まったく想像できないような意味になる。そんな風に “faire des folies de son corps (体を無茶に扱う=色情に狂う)” と、なんの役にも立たない表現か、でたらめを言っていることになりかねないのだが。