添い寝で日仏の文化ギャップ。

 添い寝をするか否か、それが問題だ。日本では幼児が親と寝ることは自然な光景に見える。狭い住宅事情を差し引いても、親子が川の字となって寝るの が好きという積極派も多いと思う。
 一方、大人と子供の世界をきちんと線引きするフランスでは、幼い子でも一人でベッドに寝るのが基本。だがミラが0歳の時は、「布団に埋まって窒息するかも」「お腹が出て風邪をひくかも」と私が過剰に心配し、一人で寝させられなかった。また夜中の授乳時に柵付きベッドから出すのも面倒だったし、なんといっても私が単純に添い寝が好きだった。そしてそのまま、「もう少したてば、どうせ自分で勝手に寝てくれるだろう」と、優雅に構えていたものだ。
 ところが予想に反し、ミラは1歳半、2歳、2歳半と大きくなるにつれ甘えん坊度がアップしていき、一人寝はますます無理になってきた。私の優柔不断な態度が、このような状況を招いたのだろう。ジルはミラに寝場所を奪われ、「僕たちはもうカップルじゃない」とすっかりご立腹。このままでは家庭崩壊も目前。周りに相談しても、ジルに同情的な意見が目立つ。しょうがないので現在は、ジルに理解を求めながら、ミラには「3歳になったら一人で寝ようね」と、毎晩語りかけ作戦を実行している。これが最良の方法とは思わないが、迷いながら日仏の文化ギャップを埋めていくだけだ。(瑞)

音楽の博物館に出かけてみた。娘もヘッドホンをつけて大得意。
●Musee de la musique
 夏時間に変更されたし、暦の上ではもう春! というのにまだお天気は不安定。水曜日の午後、お日様と雲がかくれんぼする空をにらみながら、ヴィレット公園の端にあるCite de la musique内のMusee de la musiqueが頭に浮かんだ。ここなら帰りにヴィレット公園で遊ぶこともできる。
 900にわたる楽器が展示され、イタリアのバロックから19世紀末までの音楽と楽器の歴史がわかるようになっている。入口でぜひヘッドホンを借りましょう。説明に加え、展示されている楽器が奏でる音楽を聞かせてくれる。娘レアも一人前にヘッドホンをつけて大得意、気に入った音や音楽があるとそこでじーっと立ち止まっている。難しい説明でも耳から入れば子供にもなんとなく理解できるらしく、珍しく娘は私に説明を求めてこない。
 楽器って美しく複雑な芸術品だなー、と改めて感心する。特に17、18世紀の楽器は装飾が凝っている。優雅なチェンバロの数々、パイプオルガンの元祖、蛇の形をした笛、裏に亀の甲羅が張られたギター、旅行用のミニバイオリンや折りたためる鍵盤楽器。最近笛に興味を示す娘は、クリスタル製のフルート(19世紀)の前で「お姫様のフルートだ!」と歓声を上げる。
 会場は広く展示は延々と続く。集中力の続かない小さな子供には少し辛いぞ…と思い始めたところで、ひょうたんの共鳴装置がついた木琴の一種、バラフォンの生演奏が始まった。グループで来ていた子供たちも集まっている。ブルキナファソ出身の演奏者は、この楽器がどれだけ日常生活に欠かせないものかをわかりやすく、おとぎ話風に聞かせてくれる。バラフォンを約30分聴いた後は娘の集中力も限界とみえ、トイレを求め残りの展示室を駆け抜ける。世界中の楽器を集めた最後の展示室を見せてやりたかったのに…まあこの次の機会にまわすことにしよう。(海)

Cite de la musique : 221 av. Jean-Jaures
19e 01.4484.4484 M。 Porte de Pantin
www.cite-musique.fr
火-土/12-18h、日/10-18h。3.4e/7e。
6/25まではジョン・レノン展も開催。