昨年は、1947年に創設されて以来初めて中止になってしまったアヴィニョン演劇祭(www.festival-avignon.com)だが、今年から開催委員長が変わり若返りを図る。 新しい企画は、毎日午前1時から始まる “Vingt-cinqui塾e heure” という公演シリーズで、毎日違うアーティストが自由に公演を行なう、というシステム。どんなハプニングが生まれるか楽しみだ。今年はヨーロッパ、特にドイツから招かれる演出家が多い中、花形といえば何といってもベルリンで活躍する演出家トマス・オステルメイヤーだろう。ゲオルグ・ビュヒナーの『ヴォイツェク』(教皇庁で上演)やイプセンの『人形の家』からヒントを得た “Nora” をはじめ、オステルメイヤーは4つの演出作品を披露する。 オン(7/3-27)と並行して開かれるアヴィニョン・オフ(www.avignon-off.org)は、今年も500以上のカンパニーが参加するにぎわいを見せる。オフのいいところは「誰でも参加できる」という自由さにあるが、そのせいで公演の質にばらつきがある、という批判もある。オフの批評家は一般客、面白くなければお客は入らない。だからこそオフはオンよりも厳しいのだ! と私は思うのだけれど。 “Nous n’irons pas a Avignon アヴィニョンには行かないよ! ” と題されたフェスティバル (www.gareautheatre.com)も今年ですでに6年目。アヴィニョンとほぼ同じ開催時期(7/8-8/1)で、例年通りパリ近郊ヴィトリー駅(RER-C線)脇の旧駅で開かれる。午後は子供向けスペクタクル、毎日18時から21時までは演劇、ダンスなどの公演、そして22時からはシャンソンの公演、と年を重ねるにつれプログラムも充実してきた。(海) |
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Hosokawa Toshio 2004年エクサンプロバンス音楽祭に向けて、新作オペラ『斑女』の世界初演に力を入れているのは作曲家の細川俊夫さん。三島由紀夫近代能楽集『斑女』のオペラ化により「能」をテーマにして「能」をよみがえらせる21世紀革新オペラ誕生を目指しています。 沈黙=「間」を生成する音楽を本質にすることで、「体の動きがきれている」オペラ一般の欠点を改善して身体の動きに繊細な感覚を持たせるとのこと。そしてこれらの日本伝統文化・風習を西洋人出演者たちが初めて英語で挑戦するのです。狂女は愛する男を待つが、いざ再会するともはや愛する男ではなくなってしまう、夢と現実、狂気と正気の境目を往復する音楽ドラマ。 10年間のドイツ留学と多数のコンクール受賞経験を蓄積して、2001年からは武生国際作曲ワークショップの音楽監督をも務めながら、細川俊夫さんは数多くの作品を生みだすとともにその才能を世界的に高く評価されています。 「歌は人間の感情表現、音楽は命の表現です」。西洋と日本文化の調和と相乗効果、21世紀新オペラをあなたも体験してみませんか?(日向倫子) |
『斑女』公演予定:7月8日、10日、12日、14日、16日、17日、19日、20日、23日、25日 |
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パリ夏のフェスティバル “Paris Quartier d’ete” から、チュイルリー庭園内の舞台での、身体が織りなす様々を見つめたい2作品を紹介。
Gilles Jobin “Two-Thousand-And-Three”
Odile Duboc “Projet de la matiere” |
Gilles Jobin |
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