現代中国映画の未公開作品と上海スタジオ制作のアニメが紹介される〈Cinema chinois d’aujourd’hui〉。今回は映画祭代表、そして映画好きには『おとぼけオーギュスタン』の主演俳優としても知られるシベルタン・ブランさんにお話をうかがった。まずは中国映画の現状から。 「現代中国映画が扱うテーマは多岐にわたります。監督たちは中国的であると同時にユニバーサルな視点で、外国の観客を魅了します。中国映画は今が過渡期。多くの若い監督が許可なしで撮影していますが、意外にも撮影自体は困難ではありません。私の友人リン・フェイ監督も、性同一障害についてのドキュメンタリーを問題なく撮影し、現在北京で編集を終えたところです。私の中国の友人たちは、北京よりもパリで許可なしの撮影をする方が大変だと言います。彼らの心配ごとは撮影よりむしろ配給。しかし数年後には、配給の状況も変わるでしょう」 本映画祭のポイントは? 「これだけの未公開作が一挙に外国の映画祭で紹介されるのは初めて。質はもちろん、地理的、文化的に大きな違いのある映画を取り混ぜ、テーマ、形式が多様になるように選定しました。おすすめは繊細さと清涼さに満ちたチャン・イーモウ監督のベルリン映画祭銀熊賞受賞作『Mon p俊e et ma m俊e 初恋のきた道』。『Tigre et dragon グリーン・デスティニー』の女優チャン・ツィイーがデビューした作品です。都会的コメディー、『Certificat de mariage』や、今回ゲストで監督と女優が来仏する『Life show』も必見。女優タオ・ホンは、美しいだけでなく強い存在感で、扱いにくいけれど女性らしさは失っていない現代中国女性像を体現しています。アニメならば、個人的に『Les petits tetards cherchent leur maman』が大好きです。上海スタジオのアニメは、切リ絵や墨を使うことが多く、伝統的絵画の繊細さを思わせます。清らかさと単純さとユーモアで、心が震えることでしょう」(瑞) |
Life show
*3月17日から30日までSaint Andre des ArtsとMac Mahonの二つの映画館で開催。問い合わせは06.6777.0929 |