★★★ Wally ぽっちゃりした体から発散される想像を絶するエネルギーと饒舌。ジュリエットと姉弟みたいなイメージがある髭男、ワリーのワンマン・ショーが楽しい。 無造作に積み上げられたダンボールや自ら考案した奇妙なオブジェが散らばるステージで歌う彼の姿は、決して美しいとはいえないが、ギターやアコーデオンほか、さまざまな楽器を弾きながら語呂合わせの歌から詩的な歌まで、出し惜しみしない彼の100パーセントの演技と大イマジネーションの世界に拍手。そして、いろいろな音声やリズムを使い分ける素晴らしいテクニック、とりわけスキャットによるジャズ・ボーカルはギターの演奏とともに一級品。100キロ近い体でトンボ返りも見せるボーナスつき。 31日まで。火~土/21h30 10~21€ *Vingtieme Theatre : 7 rue des platrieres 20e 01.4366.0113 ★★★ Serge Hureau ピアフ、トレネといった、シャンソン・フランセーズの偉大な歌手たちへのオマージュを歌い続けるセルジュ・ユーローが、昨年に続いてバルバラの歌に挑戦。シャンソン通でレコード・コレクターとしても知られる彼のコンサートは、歌をよく研究しているだけに、他と一味違う。最近、話題になったマチュー・ロザスに続く 男性歌手が歌う『バルバラ集』はまれだからファンにとって見逃せません。前回、L’Europeen劇場での公演がすぐに満席になって苦い経験をされた方、今回はなるべく早めに予約しましょう。 2日~20日(日・月を除く)/21h 22 €*Theatre du Renard :12 rue du Renard 4e 01.4271.4650 |
![]() ワリー |
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●ファドの新星マリザ ポルトガルの演歌、ファド。ファドの世界で他を寄せつけなかったアマリア・ロドリゲスが亡くなったのは2000年の秋。その追悼コンサートでマリザは歌い、注目を浴びる。当時ポルトガルの植民地だったモザンビーク生まれで、黒人の血が1/4入っているマリザは、リスボンの下町にある父親が経営するカフェでファド聞きながら育つ。力強い歌唱力と魅力的な舞台姿で、クリスチーナ・ブランコなどと並んで、ファドを盛り返すことができるか? マドレデウスの繊細すぎるファド(といえるのかな?)に満ち足りなかったボクらは期待しています。(真) |
![]() 4日/20h30、6日/17h 15€ *Les Abbesses: 31 rue des Abbesses 18e 01.4274.2277 |
●オッフェンバック『美しきエレーヌ』 3年前に大好評を博したオッフェンバックの歌劇『美しきエレーヌ』がパリで再公演。客席は笑いの渦であふれ、年末のひとときを過ごすのに最適の舞台だ。 マルク・ミンコフスキーが指揮するレ・ミュジシアン・ド・ルーヴルの演奏で、エレーヌ役には3年前と同じく、ソプラノ歌手のフェリシティー・ロット。ローラン・ペリーの演出も冴えている。 12/07、14、21、28日、1/04日(16h) 12/12、16、19、23、26、31日、1/02日(19h30) 11~110€ *Theatre du Chatelet : 1 place du Chatelet 1er 01.4028.2800 ●エマニュエル・パユー ベルリン・フィルの首席フルート奏者エマニュエル・パユーは、秀でたテクニックと朗々とした音色が素晴らしい。今回のパリ公演では、ベルリン・フィルの同僚とバロック音楽を演奏。テレマンのフルート協奏曲、バッハの管弦楽組曲第2番ほかのプログラム。 14日/11h 20€(当日売りのみで10hから) *Theatre du Chatelet : 1 place du Chatelet 1er 01.4028.2800 ●ガルシア軍曹 ガルシア軍曹といえば、怪傑ゾロに出てくる太っちょの兵隊さんだが、フランスのセルジャン・ガルシアとそのサウンド・システムは、元気はつらつなサルサを演奏してくれる。フレンチか、などとあなどるなかれ、これだけ明るくノリのいいバンドは本場にもなかなかない。心の中に青空が広がります。 15日~17日/20h30 18€(Fnacなどで) *Le Triptyque : 142 rue Montmartre 2e 01.4028.0555 ●A・ロマノ、E・ベックス ハモンド・オルガン再興の立て役者、エマニュエル・ベックスとドラムスのアルド・ロマノのグループで、気持ちよくスイングするジャズを聴きに行こう。 19日、20日/21h 27.50€(Fnacなどで) *Duc des Lombards : 42 rue des Lombards 1er 01.4233.2288 |
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