モンマルトルの丘のふもと、ピガール周辺には、昔ながらのムーランルージュからワールドミュージック系のライブハウスにいたるまで、10以上のホールが集まっている。 今やロック好きには欠かせない存在となったLa Cigale。その隣に1880年代に栄えていたダンスホールLa Boule Noireがある。数年前からコンサートホールとして再開し、メタルロック、エレクトロ系のプログラムが多く組まれている。当時は斬新だっただろう壁画が、今はとてもレトロで新鮮な印象を与える。 ダンスホール全盛の100年前、パリの通りは薄暗く、客寄せのために入り口の電灯に白いガラス玉をつけて目立たせていたという。年月と共にそれがよごれて黒いボールのようになったのが、この店の名前の由来だという。 4月7日には、〈Japan Invasion〉というコンサートが企画されている。これには、日本からエレクトロミュージックのサエキけんぞうとポップ音楽のLes Cappuccino、そしてパリ在住のCima Cimaが参加する。 Cima Cimaは、フランスで音楽活動を始めて10カ月、彼女が日仏英3カ国語で歌う柔らかい幻想的なアンビアンスがパリジャンにも人気で、ソロCDがFGLレコードから発売される。「なごんでもらえたら嬉しい」といつもにこやかにゆったりと話をするCima Cima。芸名は89歳になるシマさんというおばあちゃんの名前から来ているという。こんなCima Cimaのラウンジサウンドと、120年を経たこのホールとの楽しいコラボレーション。世代とジャンルをミックスしたおもしろいソワレになりそう。(尚) |
*La Boule noire |