35年間、Washington Post紙とNew York Times紙は、パリで International Herald Tribune紙を出版してきました。Herald Tribune紙は、米国からのニュースや主要な野球の試合結果を知りたがっている、外国在住のアメリカ人にとって、本当に命網でした。CNNやインターネット以前、Herald Tribuneは、アメリカの国際的な顔でした。「新聞は私の日常生活の一部分でした」と、Herald Tribuneに書いていたWashington Postのリポーターが言っていますが、彼やその他Postのジャーナリストは、これからはHerald Tribuneに記事を書かないのです。ロマンチックな夢のような結婚から生まれたHerald Tribuneという子どもは、離婚家庭の子どもになってしまいました。 先月、New York TimesはWashington Postが持っていたHerald Tribune株を買い取りましたが、Postは心底同意していたわけではありません。「持ち株を売らなかったら、Timesは自分の国際新聞を創立していたでしょう」とPost編集長はEメールで説明しました。今年の1月以来、 Timesはインドで週刊英語版増頁を発行しているように、国際的野心をすでに見せています。 Timesの支配力は、Herald Tribuneのアイデンティティーにとって脅威になるかもしれません。Herald Tribuneはアメリカン・ニュースペーパーですが、ヨーロッパの味も持っています。Timesだけの所有になると、パリで発行している新聞としての特徴が後退するのです。9月11日以来、パリは文化的な中心の地位を失い、ニューヨークの影響が広がってきました。(クロード) |