「いずれはドキュメンタリー映画の監督に…」

 映画の勉強に各国から学生が集まるパリ第8大学で、今ドキュメンタリー映画を制作すべく勉強をしている阿部正子(あべ まさこ)さんを、まさにドキュメントしてみた。
 山形県山形市の出身で、大学卒業後はテレビ局のディレクターとして番組制作をしていたという経歴を持つ。局では社会情報番組や地域情報番組を担当し、ある意味でその頃からドキュメンタリーに携わっていたとのこと。その阿部さんが映画を目指すようになったのは、やはり山形出身ということがキーになっていた。
 2年に1回、山形で行われる「山形国際ドキュメンタリー映画祭」。テレビ局で仕事をしながら、ボランティアの形で携わってきたその映画祭が、阿部さんの人生を大きく変えた。時間に追われるテレビの仕事…時には本番直前まで編集をしていたことがあるという。それに対して、映画はじっくり時間をかけて自分の考えを表現できることを実感し、局に辞表を出す。その後も映画祭の仕事は続け、監督さんたちとも知り合いになる中で、パリ第8の先生とも知り合い、そのこともあって渡仏を決めた。現在はMaitrise(修士にあたる)のディプロムを取得するために作品を制作している。

 将来はもちろん、ドキュメンタリー映画の監督として、普通の人々の生活や、子供と社会のかかわりを訴えたいという。特に後者のテーマに強く惹かれているそうで、政治的・社会的な問題を孕む国に生きる子供たちを描きたいとのこと。

 「今でも日本のラジオ番組のレポーターみたいなこともしています。もともとはアナウンサー志望で、局にいる頃はニュースも読んでいました…」と語る阿部さん。そういえば、さっきから話している声が聞きやすいなあ、と感じていたところだったが、なるほどプロだったんですね…と妙に納得してしまったのだった。(hiro)

 

自宅付近のお気に入りのカフェにて。「この辺を舞台に映画を撮ってみたい」