こんな「天空の城」に私も王子さまと住みたい。 17区。地下鉄Charles-De-Gaulle Etoile駅 。63m2。家賃1400 euros(管理費込み)。

 外から見るとそれは白亜の塔のようにそびえている。ときどき下界を見下ろしてはもの思いにふける孤独なお姫さまが住んでいるような・・・。そんな「塔アパート」を見学に来ました。太っている人だったら入れなさそうな、超小型エレベーターで7階へ。
 迎えてくれるのはお姫さまではなく、ジョニー・デップ風の美男子、ビジネス・スクールに通うポール=エドゥワール君、22歳。「早朝まで友人たちとボクシングの中継を見ていたから、散らかったままでご免なさい」とあやまる彼。いえいえ、あなたのありのままの生活を見せて下さい。
 270度ぐるっと窓になっている居間は、どんより曇った日でも明るい。手が届きそうな雲、雨が降るのを眺めているだけでも楽しい。中古車販売の仕事をする同居人のニコラ君(24歳)が田舎へ行っているので、今日はポール=エドゥワール君ひとり。ふたりは6年来の友人で、両親の家を出て独立しようと、去年の1月にここに落ち着いたのでした。この物件は、上階に住んでいる不動産の仕事をしている友人が見つけてくれたもの。コネはやはり大切です。上階のほうはテラスもあってこれまた快適で、時には上階と下階とでジョイントパーティーをするとか。近くには映画館、Fnac、スーパー、商店街、夜10時まで営業のタバコ屋、なんでもある。大通りに面した居間の窓からはサクレクール、顔を出せば凱旋門が間近に見える。エディット・ピアフの伝記によれば、まだ無名だったピアフが、この通りの歩道でアコーデオン片手に歌っていたとか。
 ポール=エドゥワール君は学生なので、区からA.P.L(Aide pour le Logement)という住宅援助金が受けられる。月に300ユーロが出るから実際に払っている家賃は各自550ユーロほど。絶好条件のアパートにご満悦のニコラ、ポール=エドゥワール両君は、少しずつ内装を充実させようと、Habitatや蚤の市に通って家具などを物色中。270度のテラスに少し植木や花を飾りたいとか。「イギリス人のガールフレンドがパリに来てここに泊まっている時は、いつも整頓されて、花があって快適で幸せ。そんな状態にしたい」。居間を飾る美しい女性の写真は、やっぱりポール=エドゥワール君のガールフレンドだった。(美)

ポール=エドゥワール君のお部屋。


視界270度の湾曲型サロンで、ポール=エドゥワール君。

デートはこんなところで?

 ポール=エドゥワール君がよく行くカフェ「ラテラル」。週末は朝寝坊してブランチをとりに行くのだそうです。ここにはタルタル・ステーキが3種。ニース風(赤ピーマンのマリネとアンチョビー)、銃士風(鴨の胸肉とアルマニャック入り)、グラチネ(チーズをのせて焼いたもの)各11ユーロ。ガールフレンドが来たら、一緒にここに来るんでしょう? 「いや、ふたりの時は出かける必要なんかないさ、家で静かに過ごすんだ」(美)
クリスマスを除いて07h~02h 無休。
(食事は昼から23h30までノンストップ)
*Cafe Latetal :4 av. Mac-Mahon 17e 
www.cafe-lateral.com