同時多発テロを受けて、米英両軍などによる軍事報復が迫っていた時から空爆後の現在に至るまで、中東カタール国のアラビア語ニュース専門衛星テレビ〈アルジャジーラ〉が、外国テレビとしては唯一、アフガニスタン国内から報道を続け、特ダネを連発、世界中の関心を集めています。 91年の湾岸戦争当時は、米CNNテレビだけがバグダッドから多国籍軍空爆開始を生中継しましたが、アフガンを支配しているイスラム原理主義政権タリバーンは〈アルジャジーラ〉を利用し、アラブ・イスラム諸国にその主張をアピールしたいようです。タリバーンが外国人の退去を命じた後も、〈アルジャジーラ〉は首都カブールにアラブ系アフガン人記者1人、タリバーンの本拠地カンダハルにアラブ人記者1人を特派し、報道を続けています。現地人スタッフを抱える欧米通信社がアフガン国内の写真を配信している以外はほとんど独占状態です。 9月24日にはオサマ・ビンラディン氏の署名が入った声明文が〈アルジャジーラ〉にファックスで届きました。また、9月26日、カブールの旧米大使館が反米デモ隊に焼き打ちされた際には、世界に先駆け同局が生々しい映像を放映しました。10月4日には同時多発テロ後初めて撮影されたとされるビンラディン氏の映像を流しました。米政府は「〈アルジャジーラ〉はイスラム原理主義の声」とし、この「中東のCNN」の放映を禁止しようと言っています。一方で、米軍はアフガニスタン国民向けに小型ラジオを投下しています。それは〈Voice of America〉を聞いてもらうためです。(クロード) |
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