唯一の難は門限なり。超快適の寮生活。 RER Cité Universitaire駅 。家賃2000F。

 4月まで高校でスペイン語を教えていたが、現在は博士号取得のために論文を準備中のエステルさんは、シテ・ユニベルシテール(パリ国際大学都市)にあるコレッジオ・デ・エスパーニャ(スペイン館)に住んでいる。
 館内は「ボンジュール」よりも「オラ、ケタル?」のスペイン語の挨拶が行き交っていて気分はすっかりスペイン。「家賃の安い方を選んだので部屋は小さいの」と見せてくれた部屋は、まるでホテルの一室。縦に大きな窓に、天井まで届くクローゼット、シャワールームにはドライヤーまで設置されている。
 キッチンは共同。各階に大小二つのキッチンがあり、そこに各自の鍵付食料庫(!)と冷蔵庫がある。建物内にはレストランもあるが、彼女はもっぱら自炊派だ。
 館内の設備の充実ぶりにはただため息がでるばかり。主にスペイン語の書籍を納めた図書館、コンサートや映画の上映、芝居の公演が行われるセミナールーム、スペインの国際放送が見れるテレビ室、ビデオ室、トレーニングジム、防音設備の整った音楽室、パソコン室、洗濯室からアイロン室まで生活に必要なありとあらゆるものが完備されている。もちろん、パソコンや洗濯機の利用は有料だが、「高くはないし、住んでいる建物内にあるメリットは大きい」とエステルさんはいう。
 そんな彼女の唯一の不満は、例えば友人が訪ねて来ても夜の10時30分以降は、自室はおろか公共の場も利用できないこと。夕食を共にするのも難しいこの規則は、宵っぱりのスペイン人にはツライはずだ。とはいえ、これは、ほとんどが修士、博士課程に籍を置く入居者のため、論文執筆や研究の邪魔をしないためなのだから仕方がないのだとか。
 RER やバスなど交通の便もいいし、設備を考えたら破格の家賃だが、入居するには厳しい審査がある。30歳以下で大学の修士、博士課程に籍を置き、教授の推薦状なども必要だとか。スペイン館の入居者の大半はスペイン人、または南米のスペイン語圏出身者だが、他国籍者でも30%の受入枠があるので、入居を希望することはできるそうだ。(里)


スペイン語はもちろん、
仏語、英語の新聞も読める
みんなの憩いの場。

●大学都市の利用法
 とにかく広い大学都市。エステルさんの主な行動範囲は、メゾン・アンテルナショナル(国際館)からスペイン館までの東半分。なかでも彼女の一番のお気に入りは、国際館の裏側にある芝生だ。のんびりとくつろぐには最適の場所。
 スペイン館にもレストランはあるが、自炊しない時にエステルさんが利用するのは国際館の学食。昼食も夕食も15F30 という安さ。生パスタやピザ、肉や魚のグリルなど毎日幅広いメニューからチョイスできるのもいい。入口でコントロールがあるが、学生証を持っていれば外部の人間でも入ることができる。食費を倹約しつつ栄養を付けたい学生だったら、一度はここの学食を試してみても損はない。
 40ヘクタールを誇る大学都市の敷地内では、いつも何かコンサートや芝居、展覧会など文化的な催し物が行われている。それを知るのに便利な小冊子がある。月刊 “CITE SCOPE” がそれ。国際館のレセプションなどで手に入る。
 特に5月19日と20日は、大学都市あげてのイベント、Fete de la Citeが開催される。レバノン館のビュッフェやインド館でのコンサートなど無料の催しも多いので参加してみるのも面白そうだ。(里)

*Cite internationale universitaire de Paris : 19 bd jourdan 14e 01.4416.6400
詳細はwww.ciup.fr/actualite にて