★★★ Lio chante Prevert 「恋はアミアミ」や「バナナ・スプリット」などのヒット曲で知られる元ロリータ歌手のリオが、プレヴェールを歌ったCD “Je suis comme 溝 ” (EMI) をリリースしたと聞いて仰天してしまった。パンティー丸出しの “Pop Model” や上半身裸の “Wandatta” など、CDジャケットが放つ彼女のイメージとはあまりにも異質だからだ。おまけに、今回はパリの庶民的ライブ・ハウスで彼女を思いっきりかぶりつきで見れるなんて夢のよう。 大詩人の作品に挑む今回の公演は冒険的すぎるが、歌手生活20年にして彼の作品を敢えて選んだ理由がわかる気もする。 CDの表題曲になった「私は私」を創唱したグレコのアナーキーな歌いっぷりやM・オスワルドが演じた「抱きしめて」の悲痛な叫び、名作「枯葉」などを彼女がどのように料理するか今から楽しみだ。 また、プレヴェール生誕百年を記念してライブ活動を続けているヴァニーナ・ミッシェルのプレヴェール未発表作品集 “Malgre moi” (SCALEN) も聴こう。 2日~5日、9日~12日/20h 90F~70F *Sentier des Halles : 50 rue d’Aboukir 2e 01.4261.8996 ★★★Catherine Mathely 「かもめ」や「暗い日曜日」など、偉大な現実派シャンソン歌手ダミアのレパートリーを歌い続けるカトリーヌ・マテリーの歌は奥深く感動的です。今日では、ダミアしか歌わないという彼女のような気骨のある歌手のステージを聴く機会はまれ。11日/22、ディナーは20h(予約要)メニュー(ワイン、コーヒー付)92F *Les Uns Les Autres: 15 rue Chevreul 11e 01.4370.2240 |
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Jazz in Japon 2 昨年に続き、パリ日本文化会館で “Jazz in Japon”。1週間にわたり、日本のトップレベルのジャズを聴くことができる。 15日は、昨年も出演して評判を呼んだヴァイオリニスト、金子飛鳥トリオ。共演はベースの吉野弘志、パーカッションのヤヒロ・トモヒロ。16日は、ギターの三好功朗、ベースの坂井紅介、ドラムの仙波清彦からなるユニークなギタートリオ。17日は、日本を代表するピアニスト、山下洋輔とソプラノサックスのスティーヴ・レイシーが共演する。二人が愛するモンクの曲が登場するかもしれないなあ。18日は、幅広い音楽性を持つピアニスト、国府弘子トリオ。共演は呼吸のぴったり合ったベースの八尋洋一、ドラムの岩瀬立飛。19日は、山下洋輔、金子飛鳥と、韓国が世界に誇る打楽器奏者、金徳朱が鋭い即興を繰り広げる。いずれも20h30。 80F/60F/50F (学生・会員) 5日間の通し券は200F。 *Maison de la culture du Japon :101bis quai Branly 15e 予約は01.4437.9595 |
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●コチシュ ピアニスト、ゾルターン・コチシュはバルトークだけでなく古典派の作品でも個性的な演奏を聴かせてくれる。パリ管弦楽アンサンブルを指揮しながら、モーツァルト最後のピアノ協奏曲第27番とベートーヴェンの交響曲第2番。 6日/11h 120F (当日売りのみ) *Theatre du Chatelet : 2 rue Edouard Colonne 1er 01.4028.2840 ●ブレンデル、ルプー ブレンデルが昨年出した、モーツァルトの幻想曲が入ったアルバムは心がこもっていた。今回は、ハイドンのピアノソナタ 、モーツァルトのイ短調のソナタ、そしてベートーヴェンのディアベッリ変奏曲に挑むという、ずいぶん意欲的なプログラム。23日/20h ブレンデルほどの脚光は浴びていないが、ラドゥ・ルプーが弾くベートーヴェンやシューベルトは素晴らしい。今回は、ベートーヴェンのピアノソナタ第12番、第21番「ワルトシュタイン」、ヤナーチェク「草かげの小径にて」、エネスコのソナタ第1番。30日/20h どちらのコンサートも70~670F ●L’Afrique dans tous les sens 音楽、映画、絵画、料理、子供用のアトリエなど、五感をいっぱいに開いてアフリカに近づいてみようという企画(15日~20日)。毎晩19時からのコンサートでは、コラ奏者ジェリ・ムサとアラブの古典音楽を演奏するマレックの共演(15日)、マリならではの優雅なボーカルを聴かせてくれるジアウ・クヤテ(16日)、そしてギニアの国立バレエ団出身で打楽器ジェンベの名人、ムハメッド・バングラ(19日)、などがおすすめ。60F/80F。ついでにその場でヤッサやマッフェなどのアフリカ料理も味わうことができる。 *La Maroquinerie : 23 rue Boyer 20e 問い合わせは01.4033.3060 ●スザナ・バカ バカは「ペルーの黒いディーヴァ」と愛されている大歌手。昨年発売の”Eco de sombras”というアルバムは、渋い歌ばかり並んでいるが、すっかり僕らをトリコにしてしまった。柔らかいビブラートのかかった声に、深い情感が秘められている。 26、28日/20h30 95F *Les Abbesses : 31 rue des Abbesses 18e 01.4274.22 77 |