●21世紀の大みそか 21世紀を迎える大みそかがフランス各地で祝われた。パリ市のシャンゼリゼ大通りは、あいにくの冷たい雨にもかかわらず50万人の人出となったが、例年のごとく若者グループ間での瓶投げやひったくりなどが相次ぎ、機動隊が出動、87人が検挙された。 零時に青い光で輝くはずだったエッフェル塔は、スポットを包む青い布が厚すぎたために300メートルも離れると照明効果なしで、失望の声が上がった。 車への放火が大みそかの行事のようになったストラスブール市では、54台が炎上。 ●大みそかの列車往復100F切符が大好評 SNCF (フランス国鉄) は年末年始の交通事故防止に一役と、大みそか出発で元旦帰りの往復切符をフランス国内ならどこでも一律100Fのキャンペーン。予想以上の大好評で10万人以上がこの往復券を買い求めた。マルセイユ駅などでは乗客が予約なしでTGVに殺到し、3時間以上の遅れをとる列車も出た。 ●パリ-ダカール・ラリー抗議デモ 元旦5h、シャン・ド・マルスから第23回パリ-ダカール・ラリーがスタートしたが、オートバイ133台、車113台、トラック30台からなる大キャラバン。このラリーのスポンサー、トータル・フィナ社に抗議して「石油沿岸汚染反対市民団体」が集会を開き、「ラリーによるアフリカの植民地化反対」を訴えた。 ●セガン氏苦戦 パリ市議・市長選挙まであと2カ月だが、保守陣営ではセガン派とチベリ派の対立が続き、13区の市長として君臨してきたジャック・トゥーボン氏も候補を諦めるなど、混乱が深まっている。1月初めにIFOP社などが行った世論調査によると、パリ市民の40%が革新系市長を望んでいることがわかっただけでなく、セガン氏とヴァイヤン現内務相が対立する18区では、現内務相が14%以上の差をつけて勝利。そうなると、候補リスト4番目のセガン氏は市会議員にもなれず、パリ市全体で保守が勝ったとしても市長候補として立てないことになる。 ●現金輸送員射殺される 1月3日、ヴィルジュイフ市 (ヴァル・ド・マルヌ県) のギュスターヴ・ルシー病院にある自動引き出し機に現金を運んできた輸送員2人が、覆面をした2人組に襲われ、輸送員の一人、ジャン=リュック・ユロさんが頭を撃たれて即死。犯人は45万フランの現金入りの袋を持って逃走した。駅、ショッピングセンター、病院など人通りの多いところにある現金自動引き出し機は、輸送員たちにとっていちばん危険なポイントとされている。 1月11日、現金輸送業務に従事する全員が、ユロ氏の冥福を祈ってスト。昨年も現金輸送員5人が殺害されており、5月には数週間にわたるストが行われ、ほとんどの現金自動引き出し機が使用不可能になったことは記憶に新しい。 |
●バルカン症候群 ボスニアやコソヴォの紛争解決に派遣された国連軍に所属していた軍人たちの間で白血病やガンなどの症例が増えている。ヨーロッパだけでも約50件の症例が挙げられており (フランスでは白血病にかかった人が4人)、すでに18人が死亡。その原因は、タンクなどの装甲を破壊することが目的の劣化ウランを使った砲弾ではないかという疑いが強まっている。 1 月9日イタリア政府は、劣化ウラン弾の使用全面禁止をNATOに訴えた。確証がないとしてNATOはこの訴えを却下したが、各国間で劣化ウランの毒性に関する情報交換を盛んにすることが取り決められた。フランス及び英国政府は、派遣された人たちの厳重な健康診断を行うことを発表。現在でもコソヴォ地方にフランス兵8000人が駐屯している。
フランスの労働力人口 |