Le Petit Vatel–創業百年、《おばあちゃんの味》。

 マビヨン地区で財布の薄っぺらな学生たちのために家庭料理を作ってきたLe Petit Vatel。今は生活に余裕のありそうなお客が多いものの「サン・ジェルマンで一番安い店」とご主人は胸を張る。
 数十年前にこの界隈で学生だったニコルさん (以下N) と昼食に。「メニューは地中海地方の《おばあちゃんの料理》を軸に、旅先から持ち帰った料理を加えて構成」と料理人兼経営者のシッツテ氏 (“シュッテ” は6番目という意味で、実際6男)。メインは “ベジタリアン” とカタロニア風・野菜トースト “pamboli” を除いて毎日替わる。
 Nはパテ、そしてモンベリヤールのソーセージ。「パテは店の良し悪しのバロメーター」と考える彼女だが、自家製のいい味に満足。こちらが味見するスキなく平らげた。前日の酒が体に残る私は、クレッソンの青々としたスープで胃腸に優しくスタートし、子羊の煮込みへとパワーアップ。子羊はsouris (膝関節周辺の筋肉) で味が詰まっていて柔らか、パセリのみじん切りがアクセントに。シッツテ氏は身元確かな (ブドウ栽培者の) ワインのみを仕入れ100F以下で提案。私たちはピレネーの新酒1/4を。食後、1杯分残った新酒と製造元から郵送されるオーヴェルニュ地方のトムで見事なフィニッシュを飾った。次回はシッツテ氏の作るリエットも試したい。春~夏にはメキシコ風ライムのスープが登場する。(美)
*5 rue Lobineau 6e. 01.4354.2849
昼は前菜+メインかメイン+デザートで70F(コーヒー付)。アラカルトで100F前後。昼はオーダーストップ14h30、夜は19h-22h30 予約不可。
シッツテさんと厨房で働く甥のフェリシアン君。