11月に入ってフランス中に狂牛パニックが吹き荒れて、boucherと呼ばれる牛肉屋さんは閑古鳥、売り上げが半分に減ったお店も多いという。売れないから、店頭に並ぶ肉の量も半減して、肉を並べておく台は空き地だらけ、肉の塊も心なしかさびしそう。 それに引きかえ、牛肉屋やスーパーの精肉売場の攻勢に追われて、店を畳んでしまうことが多かったchevalineと呼ばれる馬肉屋さんが勢いを盛り返している。馬肉屋さんの看板に使われている《馬の頭》もどこか立派に見える。文字通り「天高く馬肥ゆる秋」になりました。 おととい、「フォー (細い米の麺入りスープ) を食べに行こう」とガールフレンドを誘ってベルヴィルの中華街でランデブー。いつものお気に入りの店に近づいたら、なんと看板の牛が笑っているではありませんか。「ああ、そうだ、フォーには半煮えの牛肉が入っているんだ」と気がついたが後の祭り。これまでは、チーズ “Vache qui rit” のトレードマークに似てかわいい、かわいい、と思っていたその笑い顔が、なぜか狂牛特有の引きつった笑いに見えてくるではありませんか。 今まで知らずに牛肉をたらふく食べてきたんだから、ここで今さらと、フォーを注文したんですが、さすがに彼女は半分くらい残してしまいました。(真) |
最近は見かけなくなった《馬の頭》。Rue des petits carreaux(3区) で見つけました。
こちらは狂牛たちの笑い顔。 |