夏のバカンスに入って10数年前の静けさをとりもどしたような11区の裏通りに、僕らのお気に入りのビストロがある。お昼ごはんは、アントレ+メイン+チーズかデザートかコーヒーという70フランのコースだけだが、この値段で、それぞれの料理にシェフのねらいがはっきり出ているところが、おすすめの理由だ。
アントレ、メインそれぞれ6、7品が黒板のメニューに書き出されているが、きょうは二人だったので、アントレにはアンダルシア風ガスパーチョと自家製テリーヌをとった。ガスパーチョの方は、なめらかなピュレ状で、トマトを中心とした野菜と、ニンニク、オリーブ油が上品に溶け合い、暑い日にはうってつけ。テリーヌは、レバーのかたまりが見え隠れする本格的なもの。薄い塩味のおかげで、レバーの風味や各種ハーブの香りが生き生きしている。ワインは1/2ピシェ入りの赤ワイン (30F) をとった。ガメー種だと思うが、かなりコクがあり、満足。
メインには、アンドゥイエットとサケのサラダをとった。アンドゥイエットはカリッと焼き上げられていて、マスタードの粒々が見えるソースが添えてある。付け合わせがシンプルなマカロニなので、そのソースのうま味を十分に味わえるのもうれしい。サケは粗塩を振ってソテーされたばかりで、新鮮なサラダとの組み合わせがみごと。
ここのチーズも素晴らしいが、きょうはチョコレートケーキにした。甘さおさえめ、クレーム・アングレーズもくどくないので、あっという間の幸福感。(真)
Bistrot Paul Bert
Adresse : 18 rue Paul Bert, 75011 Paris , FranceTEL : 01.4372.2401
土昼・日休 (8月の第1週目は休業)