マレック・ブティさん (35) は、ルヴァロワ・ペレ市のアルジェリア移民の家庭に生まれた。生後9カ月目にポリオにかかり、公立病院で度重なる手術を受けた。「公立病院がなかったら、歩くことができなかっただろう。共和国に対して、僕は身体面で借りがある」 昨年2月、ブティさんは、人種差別に対して闘う団体SOS-Racismeの3番目の会長に選ばれた。「人種差別より社会生活上の不平等の方がてごわい」と語る彼は、従来の大がかりなデモよりは、日常生活で行われている差別の告発に運動の重点を移したようだ。黒人やアラブ系の若者の入場を拒否するディスコテックやショッピングセンター、初めから彼らの雇用を拒否する会社などにおとりを送って、その差別の現場を押さえて告発する”testing” に力を入れている。 「郊外の若者というと、ゴルフやクラシックではなく、決まってボクシングかラップに結びつけられることに頭にきた」と、ゴルフを始めたブティさんだが、最近の悩みはSOS-Racismeの財政難。どんな解決策を見出すか期待したい。(真) |
“Sans l’hôpital public, je ne marcherais pas. La République, c’est physiquement que je lui dois des trucs.” |