大統領任期短縮論争が再燃。 

1873年に大統領の任期は7年と定められた。1973年にその任期を5年に短縮する改革案が両院で可決されたが、ポンピドゥ大統領が国民投票にかけずにお蔵入り。それを、政界の大年寄りジスカール・デスタン元大統領が再燃させ、5月10日大見得切って持説を発表した。
 そういえば、19年前の1981年5月10日、大統領選挙で再選を賭けたジスカール・デスタン元大統領は弱冠48歳のシラク候補と保守票を分かつはめになり、さらに決選でミッテランに破れ、断腸の思いでエリゼ宮をあとにした。以来シラクへの怨念は消えず、13日に就任5周年を迎えたシラク大統領に、エリゼ宮での長居は無用とばかり、いままでタブーだった大統領制改革案の旗手となる。
 一方、シラク大統領は昨年7月14日に「任期を5年にするのは間違いで、自分は認めない」と明言したが、最近は側近たちの間でも「2002年に69歳になるシラク大統領には次期7年への再選は無理だろう、5年なら再選も可能」という見方が強まっており、シラク大統領も再選への戦略として任期5年案は捨てがたく、急きょ考えを変えて国民投票も辞さないよう。
 ジョスパン首相は「同案こそ95年大統領選の公約だった」と、ジスカール・デスタン氏とシラク大統領に一大改革の主導権をとられまいと、6月中に改革案の議会への提出、討議・採決後、年内に国民投票をと改革の先導者になろうと懸命。
 たしかに米大統領の任期4年に比べ、仏大統領の7年、再選するとミッテラン前大統領のように14年はどうみても長すぎ、今日の政治サイクルに合わないとみる見方が広まりつつあり、最近の世論調査でも78%が5年制に賛成している。さらに改正賛成派の言い分は、今まで大統領任期中に5年ごとの総選挙が行われてきたためミッテラン時代の保革共存、シラク大統領も97年以来2002年までジョスパン首相との共存を強いられているように、与野党交代による保革共存が繰り返されている現大統領制の近代化が必要と説く。
 一方、5年制懐疑派は、大統領選挙と総選挙を5年ごとに同時に行い当選した大統領と与党が同じ党派の場合、両者が一体化し大統領集権化が強まり、また逆の場合は大統領と党派の異なる与党との衝突が絶えないだろうと危惧する。
 では任期7年を維持する代わりに1期限りにする? 5年で 2期まで可能とする? 大統領集権化のもとで首相の存在は? 副大統領を任命 ? 外・内政すべてを大統領が取り仕切る米国式大統領制にする? どうして7年または5年 ? 中間の6年は ?
 と、さまざまな疑問、提案が飛び出すなかで、わが身を案じるのは上院 (元老院) 議員たち。彼らは大統領よりも長く、9年間 (3年ごとに1/3改選) 自分の席を温めていられる。大統領が5年ごとの改選となれば、彼らの任期がアンタッチャブルでいられるはずがない。とにかくしばらくの間ジスカール・デスタンの音頭で大統領制の改革年になりそう。(君)

大統領任期5年をどう思うか

78% 賛成 (91年:75%)
78% 革新系/76% 保守系
18% 反対 (91年:21%)
*Ipsosによる3/14日の世論調査。 (Le Monde: 00/5/11) 


 

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