失業者たちの怒り

 マルセイユの失業者が、数年前から年末に支給されている電気代(500F)の他、クリスマス特別手当として 3000Fの支給を要求し12/4日、失業保険支払い窓口 Assedic(商工業雇用協会 : 中央機関、Unedic 商工業雇用連合の下部組織)を占拠したのが発端となり、各地に波及。 1月初めには全国636のAssedic のうち20カ所余りを支援団体活動家や共産党系CGT組合員らと占拠し、全国規模に発展。
 彼らの実力行使がクリスマスに向けられただけに、他人事とは思えない彼らの行動を市民の65%が支持している。失業者達はクリスマス手当だけでなく、 RMI (再就職最低所得手当。1人:2429F、2人:3644F)やASS(政府支給の連帯特別手当:2300F)等の最低保障を1500F引き上げること、25歳未満にもRMIを支給、そして失業保険の全面的見直しをも要求している。
 失業者の蜂起に意表を突かれたオブリー雇用・連帯相は1/3日、長期失業者の養成・再就職援助金として政府が 5億フランを放出する意向を発表。ゲソ運輸相も、パリ地域の失業者の80%、約27万人に 2区間までのカルトオランジュを半額にすることを発表し、失業者の機嫌取りにおおわらわ。8日ついにジョスパン首相が乗りだし支援団体代表者らと会見し、9日、10億フランの社会緊急予算の捻出を約束したが、失業者達は「1人当たり300Fとは!」と反発、闘いを続ける意志を固める。
 97年11月現在、フランスの失業人口は 3,114,600人(失業率 12.5%)。 そのうちの 110万人余り(37%) は、1年以上の長期失業者だ。失業保険を受けている者は約半数。その他は職業訓練を受けながら手当を受ける者、または3~6カ月の連帯雇用契約 (CES :企業の社会保険料免除) による臨時職を繰り返す準失業者。失業者の80%が受給するのは5000F未満で、最終的には失業から外され、 RMI受給者に。 再就職のメドのない RMIsteは今では百万人を越え、ホームレス(SDF)とともに失業社会の構成人口をなしている。  
 失業保険受給者と非受給者の境界線をどこに置き、Unedic管轄の失業保険と、税金で賄う連帯扶助金とでどこまで無職者の最低生活水準を維持できるかが緊急問題に。 「RMIも最初はいいけど、徐々に零落し社会から孤立。個々が火の消えるように社会の片隅で死にたくはない」と、リールのAssedicを占拠した一人の女性は語る。
 Unedicの責任者であるCFDT組合ノタ代表は、失業者による占拠を 「一部活動家(CGT) による扇動」と批判。しかし、絶望感からくる失業者の怒りは、国鉄ストやトラック運転手の賃上げストとはまったく異なる。社会からはじき出されて身一つの彼らは、失業者としての社会的地位の確立と、政府や Unedic と対等に交渉できる圧力団体になることを目指している。
 ジョスパン政府は、最後の切り札、35時間制時短法によって仕事を失業者にも分配するため、一般勤労者のパート化を目指している。が、勤労者達が失業者より恐れているのはその不安定性だろう。フランスは何処ヘ? と問わずにはいられない。 (君)

 

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