パリ地方選にむけて立候補戦線燃ゆる。

 来年3月の地方選挙にむけて、次期パリ市長の座をねらう前哨戦が保守・革新両陣営内で始まっている。
 チベリ現市長は95年にシラク前市長の後釜になれたものの夫婦そろってなにかと疑惑 (選挙区での架空投票や夫人の架空給与) の対象になってはパリジャンをうんざりさせているので、どうみても再選されそうもない。なのに本人はその野望にかたくなにしがみつく。市長の座をねらうフランソワーズ・ドパナフュ公園担当助役が3月3日、突然立候補するや3日後に、チベリ市長は彼女から助役の権限を剥奪するという独裁者ぶり。
 RPR内でも見放されているチベリ市長の醜悪なあがきを見越して昨年秋、社会党ではストロスカーン前蔵相が立候補するはずだったが、学生相互保険(MNEF)への偽造書類疑惑に巻き込まれ辞任。次のコマは当然、パリ市議会議員を23年務め、現在、19区区長兼上院議員ドラノエ氏。彼はジョスパン直々の配下で党内のライバルもいなくなり自信満々、地方選を率いるため1月に立候補。が、そこにしゃしゃり出たのがジャック・ラング元文化相、2月24日「悩めるパリを救うため」ドラノエ氏に次いで立候補した。
 ミッテラン時代からフェット・ド・ラ・ミュージックや諸々のフェットづくりの名手ラング氏は現在、ブロア市長兼国際問題委員会会長。彼は97年ジョスパン組閣時にミッテラン直系分子として遠ざけられた一人だ。ブロア城に著名人を招いたり、パリのヴォージュ広場の貴族の館風アパルトマンで文化人らと”お茶の会”や、夏は南仏の別荘でバカンス、というご優雅な生活を送る、ミッテラン時代の生き残り政治家としてのイメージが定着している。が、「花の都が世界の首都であるためにはカリスマ的市長が必要」とラング支持者たちは戦線を張りつつある。ドラノエ氏とラング氏のどちらが選挙戦の旗手になるかは、3月30日に行われるパリの社会党員約3400人の投票にかかっている。
 社会党陣営がラング候補を先頭に出すとしたら、保守陣営には、彼に対抗でき知名度ともに押しのきく対抗馬は、セガン元RPR総裁兼エピナール市長しかいない。シラク大統領も彼を推す。党内の派閥闘争でもみくちゃにされてきたセガン氏もパリ市長として政界に返り咲くのもわるくないと、正式の立候補を待たずにすでに14区に目をつけている。
 パリ20区のうち北東部の3,10,11,18, 19, 20区の計6区を革新系区長がにぎっている。そしてパリ市議会163議席のうち革新系議員は62人。あと20議席を獲得し多数派与党になったときに、パリ史上初の革新市長が生まれるわけだ。
 ジョスパン首相との共存政権が長期化するなかで、パリ市長の座はシラク大統領に残された共和国連合(RPR) の最後の砦。それも社会党候補に奪われたとしたら、2002年大統領再選への望みの綱はますますか細くなっていきそう。(君)


パリ市長に誰が一番向いている?
46% セガン元RPR総裁
43% ラング元文化相
38% ドラノエ・パリ市19区区長
12% チベリ現パリ市長
*4/2-4日SOFRESのパリジャン800人に対する調査。数字は候補者別に示した支持率。(Libération : 2/25)