★★★今月のオランピア劇場 かなり若者向けです。6日のJ・L・Muratは前号で紹介ずみ。7日のM (エム)は、エイズで死んだ世紀末歌手のクラウス・ノミやドラゴン・ボールの主人公を思わせる奇抜なヘアスタイルで、このところ話題に事欠かない。13日のPhilippe Valは、アナーキストたちに人気があったデュオのフォンとヴァルが解散しソロとして再出発したオジサン歌手で、カナール・アンシェネ紙の元編集長でもあった多才な人物。レオ・フェレ並みのピアノの弾き語りは絶品。23日~25日のThomas Fersenは、ボサっとした感じで蝋人形風なお兄さんだが、斬新な作風が注目される。いずれも20h。137F~203F (Fnac/Virginで前売り中) *Olympia : 28 bd des Capucines 9e 01.4742.2549 ★★★Joel Favreau ブラッサンスのバック・ミュージシャンだった正統派。7日~18日/20h *Tourtour : 20 rue Quincampoix 4e 01.4887.8248 ★★★Arielle 苦虫を噛みつぶしたような不敵な面構え。元ファッション・モデルの彼女には今回の劇場はあまりにもみすぼらしい。最近最も気になる歌手の一人であることは確か。13日~20日/22h *Les Dechargeurs : 3 rue des Dechargeurs 1er 01.4236.0002 |
昨年末、サックス奏者ピーター・ブロッツマンと共演し、よく流れるドラムスを聴かせてくれたデヴィッド・ホームズ。彼のドラムスはバラフォン、コンガなども加わって豊かな色彩を持ち、アフリカやアジア音楽の影響もうかがえる。そんな彼とすっかり気が合っている佐藤真は、できるだけシンプルなドラムセットを「語らせる」。こんな二人のドラムが絡み合うと、微妙なポリリズム、粘りある伸縮運動が生まれる。ゲストは18日がトランペッターの沖至。力がみなぎっていながら柔らかさを失うことがない音色の美しさ! 19日がサックス奏者のジョー・マックフィー。抒情的な即興の素晴らしさは当代一といっていい。なお、沖と佐藤は、”Jazz Magazine” 誌2月号でベストアルバムに選ばれたA・ベナニカルテットの最新CDでも共演している。 18日/20h30 19日/17h 50F *Espace Japon : 9 rue de la Fontaine au Roi 11e 01.4700.7747 ●町田フィル、弦楽アンサンブル 岩本富美雄が指揮する「町田フィルハーモニー、弦楽アンサンブル」がパリ公演。プログラムは早川正昭作曲「日本の四季」から「春」、チャイコフスキーの「弦楽のためのセレナーデ」、ホ短調の名曲の陰でめったに演奏されないメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲二短調」(独奏は真覚多佳子)。22日/20h30 70F *Eglise St-Severin : 1 rue des Pretres St-Severin 5e 01.4477.4301 ●コチシュ、シュタルケル 4日は、ハンガリー出身のピアニスト、ゾルターン・コチシュ。鋼のように鋭いタッチに最近は深みが加わった。モーツァルトの幻想曲ハ短調、ベートーヴェンの最後のソナタ、バルトークのソナタ。 11日は、やはりハンガリー生まれで、バッハやコダーイの演奏で伝説的なチェロ奏者ヤーノシュ・シュタルケル。共演する予定だったピアニスト、ジェルギー・シェベックが亡くなったため、シェベックの門下生たちとブラームス、R・シュトラウス、ヒンデミットのソナタを演奏。 どちらも17h 95F *Theatre de la Ville : 2 place du Chatelet 4e 01.4274.2277 ●ユッスー・ンドゥール 6年目ぶりの新譜 “Joko from village to town” を出したばかりのユッスー。今度のパリ公演では、ムバラールのリズムに乗った歌で本領を発揮してほしい。 30日/20h 192F~247F *Olympia : 28 bd des Capucines 9e 01.4742.2549 ●エストラーダ Estrada (道) は、ポルトガル人と一緒にブラジルにまで渡ったジプシーの人たちの音楽を演奏するグループで、彼らの処女アルバム “La route tzigane au Bresil” が出たばかり。ブラジルのリズムと混じり合った独特の音楽を、ボーカルのE・ブランシャール、ヴィオラとパーカッションのF・デマテイス、ギターのT・ベルトムーが演奏。前半はハンガリーの女性歌手ジュジャンナ・ヴァルコンニ。 4日/20h30 60F *La Maroquinerie : 23 rue Boyer 20e M! Gambetta 01.4033.3060 ●ベン・ハーパー タージ・マハール、ボブ・マーリィの後継者といってもいいベン・ハーパーは、アメリカ以上にフランスで人気がある。歌もさることながら、乾いたスライドギターの演奏もみごと。 3月22日と4月18日/20h 183F (Fnac) *Palais Omnisports de Bercy : 8 bd de Bercy 12e |