SDFには冬がつらい。

 SDF (sans domicile fixe) と呼ばれるホームレスの人たちは、フランス全国で約10万人、イル・ド・フランス地方だけでも1万7000人 を数える。
彼らにとってつらい季節はやはり冬。毎年のように彼らの間で凍死者が出る。零度以下の日が続くと、彼らが寒さをしのげるようにと、パリでは現在使われていない地下鉄の駅が開放される。今年はどちらかというと暖冬のせいで、パリとその近郊では凍死者が出ていないのが幸いだ。とはいうものの、年末の暴風では倒木の下敷きになって亡くなったホームレスの人も出た。
公営の社会復帰センター、あるいは救世軍、エマウスといった民営の慈善事業団体が、簡単な医療やシャワー、温かい食事や週に一、二泊の宿を提供しようと努力しているが、まだまだ絶対数が不足している。
パリ市のSDF向け緊急医療サービス “SAMU SOCIAL” の車や、社会復帰センターへのSDF収容を目的としたバスが現れると、姿を隠す人たちもいる。身分証などのコントロールがイヤだ、自由を奪われたような気分になる、愛犬と離ればなれにされる (最近彼らが愛犬と一泊できるペニッシュがセーヌ岸に登場した)、通風孔脇のあたたかい “我が家” を奪われる、などが主な理由のようだ。
ホームレス生活が長くなると、不衛生や栄養不足がたたって皮膚病や結核で苦しむ人が多い。1月から施行されたCMU (普遍的医療保障) のおかげで、彼らの医療費も100%カバーされるのだが、病院や社会保障の事務所で待っているだけでは彼らはなかなかやってこないというのが現実だ。冬だけに限らないふだんからの根気強いコミュニケーションが求められている。(真)


 

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