“Emilie voulait le travail, elle voulait le rôle. Elle s’était confondue avec Rosetta. Quand on lui a dit d’arrêter de rougir, elle a arrêtée. Quand on lui a dit d’avoir mal au ventre, elle a eu mal au ventre.” |
「エミリーは仕事がほしかった。この役がほしかった。それでロゼッタになりきってしまった。赤面するのをやめるようにというと、しなくなった。おなかが痛くなるようにというと、本当におなかが痛くなった」と語るのは、”Rosetta” で今年のカンヌ映画祭グランプリに輝いたベルギーの監督ダルデンヌ兄弟。ロゼッタを演じるエミリー・ドゥケンヌさん (19) も、主演女優賞。これが映画初出演の素人に主演女優賞とは!? という批判も招いたが、この作品でのロゼッタの存在感は圧倒的。「愛の記念に」のサンドリーヌ・ボネール以来の鮮烈なデビューだ。 ドゥケンヌさんは、ベルギーのベルイユという町に生まれ、素人劇団で演じたことはあるが映画界とは無関係。ダルデンヌ兄弟のキャスティングに応じた時は、モン市の大学で政治学の勉強を始めたばかりだった。零下10度の野外で35キロの袋をかついだり、水につかったりという過酷なロケも、根性で乗り切った。(真) |