パリの自転車タクシー。
初夏の強い太陽の下、黄色い “Velo – Taxis” がまぶしく目に飛び込んできた。異国にいるような錯覚にとらわれが、ここは、今はメクネス門の立っているコンコルド広場。
数カ月前から走り始めた “自転車タクシー” は、パトリックとディディエ兄弟が発案者で、現在は30人近い学生が、21変速ギアを装備した20台を “運転” している。
コンコルド広場、マドレーヌ広場、オペラ座前、ヴァンドーム広場、ルーヴルのピラミッド前、オルセー美術館前から約1時間の観光コースを走る。
1人なら90フラン、2人で乗ると130フラン。
毎日10時~18時。01.4742.0001
英国風タクシーで優雅な気分に。
パリにも何台か英国風タクシーがある。ディディエ・グジャさんは、27万フランで買ったこの車をとても大切にしている。「お客さんに自分の家にいるような気分になってもらえるのが長所です。ふつうのタクシーよりも広々としているのに、料金は同じなので、お客さんがビックリすることも…。それに身体の不自由
な方にもとても乗りやすいタクシーです。テレビ関係から撮影の注文もある。のんびり丁寧に仕事をしているせいか、本当にタクシーの運転手?と聞かれることが多い。お客さんにものんびりとした気分になってもらえたら最高。
パリを走っていて一番好きな時間は、夏の朝。空が本当に素晴らしい」
*英国風タクシーに乗ってパリ市内を走りたい人は 06.0722.4161 (Didier Gougea)
女性運転手の裏話。
クロード・レイモンさんがタクシーの運転手になった60年代初めは、パリでも女性運転手はきわめてまれだった。長年の間、男性運転手のからかいにも負けずにがんばれたのは、彼女のユーモアに溢れた強い性格のおかげだったという。そんなエネルギーがこの本にも溢れ、数々の面白い逸話の中から、大手のタクシー
会社や政治家となれ合いのタクシー運転手組合への批判が飛び出す。この職業について30年、彼女はそろそろ定年に近づいているが、Detaxというタクシー運転手組合のリーダーとして活躍中。
*Claude Raymond /
Les petits taxis ont-ils des jambes?
TAXI STORIES
*独特のブラックユーモアに溢れたイラスト、アニメ作品、小説などを残した鬼才ロラン・トポールの短編集からの抜粋。
*la place du mortは運転手脇の助手席のことで、事故があると一番危険なので”死者の席”と呼ばれている。タクシーでは、ふつう客は座ることができない。pourboireはチップのことで、乗車料金の10%前後がふつう。