●Prelude de Paris
若い音楽家の養成とクラシック音楽の普及を目的とするプレリュード・ド・パリ協会は、10年前から地下鉄での演奏活動をしている。RATPのオーディショ
ンを受ける前に、まずは協会の試験に合格しなければならない。現在登録しているバイオリン、コントラバス、チェロなどの弦楽器奏者は38名で、音学院の学生と卒業生からなっている。月曜日に1週間の予定が各自に連絡される。火、木、土曜日はシャトレ、他の日はバスティーユ、エトワール、リヨン駅など。毎回7~15人で演奏をしている。
「クラシック音楽を身近に感じてもらいたい」
「地下鉄でのコンサートは、若い演奏家にはとてもよい経験だ。聴衆を目の前にした演奏や雑音の多い場所での演奏は、音の調節の訓練にもなる」と、協会の責任者オラルト氏。バイオリニストで作曲家でもある彼が、曲目や演奏者の選択をする。
「地下鉄での演奏は、一般の人にクラシック音楽を身近に感じてもらう良い機会でもある。エリートの音楽と偏見の目でみられている傾向があるから…」 そして経済的にはミュージシャンの生活の助けになる。一日の演奏で、CDの収入を含めて、平均約2500Fになり、参加した音楽家が分け合っても、一人につき約250Fの収入となるそうだ。