子供時代の、失恋の、些細な日常の記憶は日に日に薄れていくものだけど、ある写真から、忘れていたと思っていた感覚が急に蘇ることがある。そんな写真は、過去で現在で、未来でもある。
★★★★★ ブラボー!★★★★ 見逃せない★★★ 一見の価値あり★★ ソンはしない★ おヒマなら…☆ ん~ん…
●Sophie Calle / Doubles-jeuxポール・オースターの物語「リバイヤサン」に登場する人物 “マリア” の儀式的な行動を、ソフィ・カールが実際の生活に取り入れる。フィクションと現実の立場が時には逆転することに…。彼女の写真・テキスト作品はいつも実生活と影響し合ったり混ざり合ったり。11/2迄*Centre National de la Photographie : Hotel Salomon de Rothschild, 11 rue Berryer 8e M: George V / Etoile火休 12h-19h 入場料: 30F
★★
男性ホルモンがドーピング気味。しかしあくまでも女性を演じる彼女の健気さ。妙に完結してしまった回顧風エクスポに、当時の夫の放尿性器を彼女が後ろから
手でささえる(テキストも良いし圧巻!)あの代表作が無いのが残念。マリアとかストリップとかポール・オースターのテキストなど、解りやすい展覧会。初心
者向き。(麦)★★ これほど自己中心でフランス的な展覧会はない。これは「写真展」ではなく、ソフィーの私小説。実際、写真とともに展示されたテキストを読まなければならないし、27才から40才までの誕生日に贈られた、数々のモノが入ったガラスケースを丹念に覗く作業も必要なのだ。それにつけても、日本の「私」写真の類は、天才アラーキーにしても、木村伊兵衛賞の都築キョーイチにしても、なぜ猥雑猥褻になるのだろう。(稲)★★★★★
好きですね。ポップです。今回初めて知ったのですがすごく楽しかったです。思わずこの展覧会のもとになった彼女の本を1セット買ってしまいました。インス
タレーションをしたりして写真家というより現代美術アーティストと思うのですが、それにしても写真もうまいです。それがまた好きです。 (松)★★★ Elle fait des reportages sur les traces de l’intimite humaine. Chez elle, l’acte et l’idee de ce qu’elle fait sont
plus importants, comme dans l’art conceptuel, jusqu’au moment ou elle
n’a meme pas besoin de photographier. (Jan)
●Klavdij Sluban et les jeunes detenus de Fleury Merogis <Les lieux d’un piege>★★★★
最初に入った部屋の小さな額群が刑務所の格子のようで抜群に良い。社会に曝すことのできない青少年たちの匿名性や、小さな窓や格子から不透明な場を見つめ
る透明な眼。それに習うような Sluban の素直さ。放逸な動きが許されないだろう所内でシャッターを切る音が聞こえる。(麦)11/8迄*Maison Europeenne de la Photographie : 5/7 rue de Fourcy 4e M: Saint-Paul 月火休 11h-20h 入場料:30F(同時開催のExpoすべて入場可)
●Zoe Leonard(c) Zoe Leonard鉄柵にめり込んだ木の幹、狩りでばらばらにされた動物。暴力的で残酷だが、美しくもある人間と自然の関係。それらの痕跡とイメージを追うゾエ・レオナードの作品。11/2迄*Centre National de la Photographie : Hotel Salomon de Rothschild, 11 rue Berryer 8e M: George V / Etoile火休 12h-19h 入場料: 30F★★
都会に造られた美しいイギリス庭園に面した部屋を使った、自然と人間のお話し。人工の力が自然界に及ぼす無情さを女性的な視点で捉えているが、偶然見つけ
ただろう鳥の卵や、赤い実の木の写真の方に21世紀を感じる。写真芸術の欠如した部分が見えてしまうような展示が今一つ。(麦)★★Le sujet est plus important que la fa腔n de
photographier. Le cote technique et la composition sont beaucoup moins
importants que chez E. Smith et M. Franck. Son choix de sujet va au
dela de “faire la photo”. (Jan)★ Sophie Calleのおしゃべりな展示の脇に、ひっそりと並ぶ寡黙な写真。何気ないスナップ写真のように淡々と写された木、鳥の巣、そして狩で撃たれたカモやビーバー、クマの屍体…。 アメリカの女性アーティストによる、決して声高でない問いかけ。(稲)☆残念ながら僕は理解できませんでした。つまらなかったです。(松)
●Yves Guillot / La Logeuse et le Vert Luisant“La Logeuse / 宿屋の女主人”と”le Vert Luisant / 輝く緑”、ふたつのシリーズ作品。11/8迄*Maison Europeenne de la Photographie : 5/7 rue de Fourcy 4e M: Saint-Paul 月火休 11h-20h 入場料:30F(同時開催のExpoすべて入場可)★ 作家本人が最初の言葉を書いているのが気になる。ピントが時々ブレているのは、鍵穴から覗く罪の意識なのか?(麦)☆MEPではしばしば、とてもヒトサマにお見せするものとは思えない展覧会に出くわす。これもそのひとつ。自作のフォークソングを聞かされるよう。まあよく言って写真学校の生徒の習作展。隣の展示室の、SLUBAN先生の指導のもとで少年刑務所の若者たちが撮った作品群のほうがはるかにいい。(稲)★★★ 優しくて綺麗な写真。 (松)☆Ses photos ne donnent pas de nouveaux points de vue sur les sujets.(Jan)
●Duane Michals / (A propos de) Walt Whitman
(c) Duane Michals出来事をただ写し撮るだけが写真ではない。デュアンヌ・マイケルスの写真からは記憶や時間が流れ出す。ウォルト・ホイットマンの詩をもとに撮影した近作。11/4-1/16*Fnac Etoile : 26/30, avenue des Ternes 17e日休 10h-19h30 入場無料
●Edouard Boubat / Lella“出会い”の新鮮さを撮るエドゥアール・ブーバのみずみずしい作品。10/30-2/14*Maison Europeenne de la Photographie : 5/7 rue de Fourcy 4e M: Saint-Paul 月火休 11h-20h 入場料:30F(同時開催のExpoすべて入場可)
ヴィクトル・ユゴー(1802-1885)に関する2つの写真展。●Victor Hugo, photographies de l’exil(c) Charles Hugo1852
年、ジャージー島に亡命後間もなく、息子たちにダゲレオタイプの写真スタジオをつくらせたユゴー。写真の可能性にいちはやく注目していた彼は”Napol
姉n le Petit”や”Ch液iments”の風刺文を写真で飾ろうとした。ユゴーや家族のポートレート、風景写真を展示。10/27-1/24*Musee d’Orsay :1 rue de la Legion d’Honneur 7e月休 10h-18h(日:9h-18h、木:10h-21h45) 入場料:40F(館内のExpoすべて入場可)
●Dans l’intimite de Victor Hugo a Hauteville House / Edmond Bacot en 1862 – Olivier Meriel en 19981855年ガーンジー島へ亡命。翌年 Hauteville House を購入。エドモン・バコが残した当時の写真と、一世紀以上後にメリエルが撮影した写真を並べる。10/27-1/26*Maison de Victor Hugo :6, place des Vosges 4e月休 10h-17h40 入場料:27F
●Andre Kertesz / L’intime plaisir de lire
(c) Andre Kertesz独特の美意識で対象をデフォルメさせた作品が忘れられないアンドレ・ケルテス(1894-1985)。1971年の写真集 “On reading” から、本を読む人、オブジェを撮った作品を展示。11/12-1/23*Fnac Forum : Forum des Halles 1er日休 10h-19h30 入場無料
●Orlan / Refigurationポートレート写真が、南米のマヤ、オ ルメカ文明時代の彫刻と合体。コンピューターを使った作品。 11/2-12/6*Galerie Espace d’Art Yvonamor Palix :13 rue Keller 11e日月休 14h-19h 入場無料
●Pierre Molinier
(c) Pierre Molinier1900年生まれ。76才で逝くまで、ひたすらフェティッシュな作品を創り続けたピエール・モリニエ。10/29-11/28*Galerie 1900-2000 : 8 rue Bonaparte 6e日休 10h-19h (月: 14h-19h)入場無料
●Aurore de Sousa / L’ombre nue
(c) Aurore de Sousa”Pont / 橋”と”Talisman / 魔力”。現在と過去/未来、目に見える現実とそうでないもの。それらの間を往き来する、オロール・ド・スーザの作品。11/5-12/31*Galerie Dupon / Vis a Vis : 42, rue Saint-Bernard 11e 日休 8h-21h30 入場無料
●Arno Rafael Minkkinen / Ten minutes past midnight70年代に撮った妻サンドラのシリーズ。自分自身の写真と並ぶ息子ダニエルのポートレート。ミンキネンの私的世界を共にする。11/19-1/16*Galerie la Ferronnerie : 40 rue de la Folie-Mericourt 11e 日月休 13h30-19h(土: 12h-19h) 入場無料
●Toshio Shibata / Terre et Paysages (Japon)乾いた視点で人間の文明と自然環境の関係を撮るシバタ・トシオ。人間が壊した日本の自然を無言で強くさらしだす。11/13-1/4 *Centre National de la Photographie : Hotel Salomon de Rothschild, 11 rue Berryer 8e M: George V / Etoile火休 12h-19h 入場料: 30F 火休 12h-19h 入場料: 30F
●Yuri Eremine / Paysages Intimesロシア人写真家ユーリ・エルミン(1881-1948)の絵画的な風景写真。10/30-1/15 迄*Carre Noir : 2 impasse Lebouis 14e日月休 14h-19h 入場無料