“怒れる高校生たち”

 新学期に入って間もなく油に火がついたように全国の高校生が「教師の増員、施設拡充、カリキュラムの軽減」を要求し、大規模な全国デモを繰り広げている。
 去年アレーグル文部大臣は高校改革を掲げ、高校生にアンケートし約200万人の答えをまとめたのがメリユ報告。主に、外国語のクラスなど地域によって40~45人のスシズメ教室、教師不足、過剰なカリキュラムなどの問題が浮き彫りになった。
 10月15日パリのナシオン広場では、デモが繰り出す前にすでにかなりの車が倒され数台から火が上がる。電話ボックスや十数軒の商店も壊され、商品を持ち出す若者の姿も。機動隊はデモに紛れる破壊分子約150人を逮捕。デモ隊からは”Lyceens en col俊e”と、元気のいい女子生徒のかんだかいシュプレヒコールが繰り返されるが、はっきりとした政治的なスローガンは聞かれず組織力もいまひとつ。この日全国で約50万人、パリだけで約3万人。それに次ぐ20日のデモは、15日の教訓を生かし2つの連絡委員会(社会党系FIDLと共産党系グループ)が組織され、一部の教師、父兄も参加したが、全国で約28万人(パリ約2万4千人)と、参加者数は減ったが官憲の取締りは倍加した。
 1986年シュヴェヌマン元文部大臣が、当時のバカロレア受験年齢層で32%だった取得者を80%に引き上げる目標を掲げ、87年に職業バカロレアを設けた。以来職業課程に力が入れられ、今日バカロレア取得者は同年齢層で61%に達している。高校生の増加に合わせ、教育予算も88年度の1980億フランに比して99年度は3450億フランを予定していると、意気揚々のアレーグル文部大臣。しかし、大臣も認めているように、教育制度の中央集権的管理のため教師配属の調整がうまくいかず、科目や地域によって教師不足が深刻な問題になっている。
 文部大臣が10月21日に発表した緊急対策案とは、 高校生活の民主化、自習監督員4千人(そのうち千人は兵役免除者)と指導員1万人の雇用、4年間に総額40億フランを無利子で自治体に融資し施設の拡充に当たらせる、99年度からバカロレア受験クラスは35人にするなど。しかし”怒れる高校生”と教員組合はこれらを小手先の解決案と見なし、万聖節休暇明けの11月5日に再度全国デモを計画している。
 アレーグル文部大臣は、去年就任した時にフランスの教育制度を、教員組合が牛耳る “マンモス” と称したが、今回の高校生デモがそれを揺るがし大山鳴動、鼠一匹くらいの効果はあると、内心喜んでいるのでは。 (君)  

(君)

 


一般バカロレア取得者数(合格率)
185,513(70.6%) 87年
261,936(76.3%) 97年
テクノロジー・バカロレア(合格率)
91,742(65.3%) 87年
131,291(77.3%) 97年
職業バカロレア(合格率)
881(76.1%) 87年
73,546(79.3%) 97年