W杯入場券不足騒動。 


約一カ月続いたW杯。フランス中サッカー一色で、不景気といわれる昨今、久々に活気が戻った。知らぬ 間にファンになった人も多いはず。それにしても、何度も報道されていた合計8万5千枚といわれる入場券不足騒動は後味が悪い。
 フランス組織委員会 (CFO) は、総数264 万8千枚の4割を国内一般向けチケットに、他を公認旅行業者、公式スポンサー、国際サッカー連盟 (FIFA) などに分配した。FIFAはさらに各国のサッカー連盟へ分配。前大会よりも出場国が8カ国増えたのに対して席数は90万も少なく、想像以上の供給不足となった。その上、”稼ぎ時” とばかり分配先の一部は欲の権化となってしまった。
 公認旅行業者の最大手、米国のプライムスポーツ・インターナショナル社は6月17日にパリで1万5千枚の入場券の盗難届けを出した。この会社は以前、雑誌などで一般 のチケットを高く買い上げる広告を出してCFO から注意を受けていたが、盗難も狂言ではと調査中。盗まれたと見られる席は見事に埋まっていたそうだ。また、W杯のマーケティングを担当していた ISLワールドの子会社 ISLフランスは、本来売買できないスポンサー名義のものや、コロンビア連盟から横流しを受けた入場券を売っていた。しかし契約済みの約3万枚は納品できず、詐欺容疑で取り調べ中、などなど…。
 他国と同様に国内で分配された枚数が少ないため、外国のブローカーに頼ってとんだ肩すかしを食らってしまった日本の旅行業者たち。全ツアーを中止したところもあったが、決行した業者は最後までチケット集めに奔走した。個人で買った人もいた。とにもかくにも世界中のプロ・アマのダフ屋や一般 の市民から、信じられない値段(最高一枚15000F!?)で買ってしまった。買うのは個人の自由だ。大金をつぎ込んで必死に買い集めた旅行業者も気の毒。しかし、腹黒い人間たちの利益を土壇場でさらに上げてしまったのは事実。問題が顕わになった時点で、残念ではあるが、入手をあきらめる潔さもある意味では必要だったのではないだろうか。最後の最後まで「いいカモ」になってしまったのだから。それにしても、人々の金銭感覚を狂わせたブローカーたちの罪は深い。

(水)