Imprimer le monde
デジタルのデータをプリンターに転送すると、樹脂などの材料が層を作り、モノができていく。産業界で使われていた技術が、アートの世界にも入ってきた。40人のアーティストが3Dプリンターで作った作品を展示し、デジタル技術とアート、工業製品とアートとデザインの関係を考えさせる展覧会だ。
3Dプリンターでこんなものまで作れるのか、と正直驚く。オリヴィエ・ファン・ヘルプトの素朴な壺は、陶芸工房から出てきたような顔をしているが、実は3Dプリンター製だ。表面の質感や形を変えて、一点ものを作る。自分でソフトを開発するマティアス・ベングトソンがチタンで作った有機的な形のテーブルは、技術、デザイン性、芸術性のどれもが高い。ミカエル・ハンスメイヤーとベンジャミン・ディレンブエルガーは、ロダンの「地獄門」のような巨大な彫刻を作った。さまざまな作品を見ていると、アートに対する思い込みがくつがえされる。アーティストにとって計り知れない可能性を秘めた世界が広がっている。(羽)
ポンピドゥ・センター 6月19日まで。火休。
Centre Georges Pmpidou
Adresse : Place Georges-Pompidou, 75004 Paris , FranceURL : https://www.centrepompidou.fr/