3月7日、選挙の監視を行う憲法評議会が、来月に迫った大統領選挙(第一回投票は4/10、決戦投票が4/24)の公式候補者12人の名前を発表した。
12人中7人は、5年前の選挙と同じ顔ぶれ。あとの5人は新顔とはいえ、ふたりは伝統的2大政党、社会党イダルゴ(現パリ市長)と、共和党ペクレス候補。ここ数年、人気上昇を続ける欧州エコロジー・緑の党ヤニック・ジャド候補は、前回は社会党と共闘したが「今回は譲らない」と左派の票割れを批判する声にも引き下がらない。前回メランションと共闘した共産党も、今回はルッセル候補を立てた。
真に新顔といえば、ジャーナリスト、コメンテーターで数々の人種差別的発言で3回有罪判決を受けた極右エリック・ゼムールくらいだ。彼は第二次世界大戦中のフランス対独協力政府について歴史修正的な発言をするなどのスキャンダルで露出度を上げ、一時は前回決選投票に残った極右マリーヌ・ルペンをもしのぐ人気となった。
2017年に比べ、盛り上がりに欠ける感の選挙キャンペーンだったが、そこにウクライナ戦争が始まった。先週出馬を公式にしたばかりのマクロン大統領はウクライナ情勢から目を離せず、今日3月7日パリ郊外で初集会をもったが、候補たちのディベートなども行なえるか定かではない(マクロンはすでに第一回投票が終わるまではディベートをしたくないと意向を示している)。憲法を書き換えない限り大幅な延期もできないため、今のところは予定通り選挙が行われる。
ナタリー・アルトー Nathalie Arthaud(LO : Lutte ouvrière 労働者の闘い)
ファビアン・ルッセル Fabien Roussel(PCF : Parti communiste français フランス共産党)
エマニュエル・マクロン Emmanuel Macron(LREM 共和国前進)
ジャン・ラサール Jean Lassalle(Résistons! 抵抗しよう!)
マリーヌ・ルペン Marine Le Pen (RN : Rassemblement National 国民連合)
エリック・ゼムール Eric Zemmour
ジャン=リュック・メランション Jean-Luc Mélenchon (LFI : La France Insoumise 服従しないフランス)
アンヌ・イダルゴ Anne Hidalgo(PS : Parti Socialiste 社会党)
ヤニック・ジャド Yannick Jadot(EELV Europe-Ecologie les Vert 欧州エコロジー・緑の党)
ヴァレリー・ペクレス Valérie Pécresse(LR 共和党)
フィリップ・プトゥ Philippe Poutou(NPA 反資本主義新党)
ニコラ・デュポン=エニャン Nicolas Dupont-Aignan (Debout la France 立ち上がれフランス)