マクロン政権、難民・移民取締り政策を強化。

*12月18日付リベラシオン紙「移民:恥の極み」捕まらないためにアルプス越えをする難民たち。

国際移住者デーの12月18日、仏メディアはコロン内相の出した通達に反対する難民・移民支援団体が人権擁護機関に訴えたことや、マクロン政権の難民・移民取締り強化の姿勢を一斉に報じた。

コロン内相はまず11月20日の通達で、不法滞在者の国外退去数を増やすよう各県の知事に指示。さらに12月20日には、市民団体が運営する難民・移民緊急宿泊所に県庁や仏移民同化局の職員が立入調査をして名簿を作るようにという通達を出した。

難民・移民支援団体は、当局の調査が入ると、身柄拘束を恐れて難民や移民が緊急宿泊所に来るのを恐れるようになり、人道的立場から行っている自分たちの活動を政治目的のために利用するものとして強く非難した。これらの団体は8日に内務省で行われた難民・移民政策会議を中座して抗議していた。

さらに、ジュルナル・デュ・ディマンシュの報道によると、政府が春に国会提出する予定の移民・亡命関連法案は、行政留置所への不法滞在者の留置期間を現行の45日間から90日間に延長すること、亡命申請の審理期間を現行の最長14ヵ月から6ヵ月に加速させることが盛り込まれている。つまり、亡命を却下された人に当局が早急に国外退去手続きを取れるようになるのだ。国外退去者数増加の意図の背景には、昨年10月にマルセイユで女性2人を殺害したテロ犯が数日前にリヨンで逮捕・釈放された不法移民だったこともある。ちなみに2016年に不法滞在で拘束された9万1千人のうち、3分の1は国外退去措置になっている。

さらに法案には、難民がフランスに入国する前に通過した「安全な第3国」(例えばトルコ)にその難民を送り返すことが当初は盛り込まれていたが、仏人権諮問委員会から亡命権そのものを否定する措置であると勧告され、内務省はこの条項を法案から外したという。

難民100万人を受け入れたメルケル独首相を称え、大統領就任後の6月には「難民受け入れはフランスの義務であり、栄誉である」と発言したマクロン大統領だが、政治亡命者と「経済移民」を区別すべきとも発言しており、自国で身の危険がある難民のみを受け入れるという考え方だ。移民・難民取締りを強化したサルコジ元大統領よりも厳しい政策になるのではないかと人権擁護や移民擁護団体は危惧している。(し)