11月7日に「新型コロナウイルスによるフランスの死者4万人突破」と書いてから1ヵ月も経たない11月24日、フランスでは死者数が5万人を超えてしまった。今年の3月から12月6日までに55155人*が命を失った。
メディアは「米国の悪例に学ぶべき」として、米国では12月5日だけで新規感染者23万人、2527人が死亡し、3月からの累計で28万2000人以上になると報じている。米国では11月の第四木曜日「サンクスギヴィングの日」に家族が集まって祝う習慣があり、これで感染が爆発的に増えたとされる。クリスマスや新年で、フランスはこのような過ちを犯さないように、という警告だ。
米国を槍玉に挙げがちなフランスのメディアだが、人口に対する死者の割合を考えれば、米国を悪例として挙げてはいられない状況だ。仮にフランスの人口が米国並みの3億3000万人(フランスの実際の人口の4.9倍)だとすると、12月7日現在の死亡者数は26万9500人(フランスの死亡者数5万5000人x4.9)に達し、米国の死亡者数28万2000人とそれほど変わらない。
フランスでは12月6日だけで175人が病院で亡くなった。新規入院者は1週間で8564人、集中治療室で治療を受ける人は1163人となっている。(* フランス公衆衛生局)。