国際金融取引への課税を主張するNPO「アタック」が7月3日、パリ・オペラ座通りのスターバックスの前で、コーヒーかすを山のように積み上げる抗議運動を行った。理由は「フランスで9500万ユーロの売上があるのに、税金を払っていないから」。本社がアメリカにあるスターバックスは、オランダに子会社を作ってフランスの売上からロゴやレシピの使用料などをそこに支払い、フランスでの利益を企業規模にしては少なすぎる70万ユーロにした。しかし、前年の負債を持ち越して申告額から差し引くことができるので、2015年度の税金支払いはゼロだった。オランダの子会社はフランスからの送金で売上額が増えるはずだが、オランダの税制は、EU加盟国から送金される知的所有権料には5パーセントの税金のみを課すなど、企業の節税対策に有利なもので、スターバックスはオランダで少額の税金しか払っていないという。アタックの主張は「企業活動する国で税金を払うべき」というものだ。税金回避をとがめられ、2015年、スターバックスは欧州委員会から3千万ユーロの罰金を命じられた。
アタックの活動家約25人は、店の前で「もうたくさんだ、金返せ」と書かれた横断幕を掲げ、ゲンスブール「コーヒー色 Couleur Café」の替え歌を歌って脱税を告発し、気勢を上げた。 (羽)