イタリアとの国境近くで農家を営むセドリック・エルーさんは、自分の農園内に難民を泊めていることで2017年8月に有罪判決を受けた(836号)が、他の難民支援活動家やNGOとともに「判決は憲法に適合していない」として、憲法評議会に提訴していた。7月8日に出た憲法評議会の判断は「滞在支援は憲法にある『同胞愛(fraternité)の原則』に基づき合憲」だった。
外国人入国滞在法典には外国人の不法入国を手伝ったり、不法入国者を移動させたり、滞在させる行為には最高で懲役5年、または3万ユーロの罰金が科せられるという条項がある。しかし2012年に密入国ブローカーとボランティアの支援者を区別するため、「司法手続きの援助、宿泊、治療など、被支援者の尊厳や健全な身体を保つための行為で、代償が伴わなければ告訴されることはない」という条項が加えられた。それにもかかわらずエルーさんは有罪判決を受けていた。
今年1月、アムネスティの活動家、マルティーヌ・ランドリーさんが前年、ギニア人の難民少女2人を仏伊国境まで迎えに行き、警察署の未成年保護課まで同行したことで訴えられた。7月13日、ランドリーさんは「物理的に国境を越えるのを手伝ったという報告はない」として無罪放免を言い渡された。難民を人道支援する人たちが続けて無罪になったのは朗報だ。(羽)