● 15区
ジョルジュ・ブラッサンス公園は、かつてヴォジラール食肉処理場と市場があった場所。このための専用の駅があった。公園南端の木立の奥に当時の建物の一部と線路が残されている。
今、ここを整備して再利用する計画が始まっています。線路は公園の西のダンツィグ通りからトンネルに入り、オリヴィエ・ド・セール通りで地上に出る。オリヴィエ・ド・セール通りから階段を降りると、道路下にトンネルが口を開けている。奥に小さくブラッサンス公園口の光が見えます。長さ250mのこのトンネルも歩けるようにする、という計画もある。
ここからバラール広場までの線路跡が、緑の散歩道 「Promenade Plantée」になっている。途中でヴォジラール通りやルクルブ通りなど、4つの通りを越えて1.3km。今回歩いた線路跡めぐりの中でいちばん長い。ここも複線の片方の線路が埋められている。
幅広い土手の両側には野生の草木が茂っている。途中でカーブしていたり脇に引込線跡の坂道があったりと、変化に富む。近くに建つ大型の集合住宅やフランス・テレコムのビルが、都会にいることを思い出させます。
坂道や階段の出入り口が数か所あるけれど、階段には必ずエレベーターもあって、パリには珍しく(?)機能している。途中、ヴォジラール通りの陸橋の東側線路わきにヴォジラール駅の駅舎がある。
レンガと石の1867年の駅舎は、13区のオルレアン・サンチュール駅とほぼ同じ設計。長い間、集合住宅に転用されてきたけれど、来年から若い人たちの職業訓練所と散歩道のカフェに改修される計画です。
家族連れ、カップル、子どもたち、ランニングする人、それぞれがのんびりと時を過ごす散歩路のレールは、バラールの先でプチっと切られています。(稲)