Paris Rive Gauche, le quartier numérique !
パリ左岸、13区。今そのセーヌ川沿いの一角が、都市開発プロジェクト Paris Rive Gauche (パリ・リヴ・ゴーシュ)により、新たな“デジタル地区”へとダイナミックに変化している。新しい区域のランドマーク的存在で、昨夏ついに完成したStation F(スタシオン・エフ)へ出かけてみました。
メトロ6番線シュヴァルレ駅から徒歩3分に位置するStation Fは、総面積約34 000㎡を誇る、世界最大のスタートアップ・キャンパス。「Station 」という名の通り、1920年代末に建設された貨物列車の駅舎 Halle Freyssinet を2年がかりでリノベーションした。改装費2億ユーロを負担したのは、大手通信事業社Freeの創業者グザヴィエ・ニエル氏(さらに、今年イヴリー・シュル・セーヌに完成予定のStation F専用住居施設の建設費5千万ユーロも同氏による投資)。アーチを描く屋根の下に、国内外から約1 000のスタートアップが入居し、Facebookなど、約20社のパートナー企業や、Station Fによる育成プログラムに参加している。目指すのは、昨今、仏政府が声高に掲げる「フレンチテック」を牽引するビジネスエコシステムの形成だ。昨年7月のオープニング式典では、マクロン大統領が人々の行き交う駅にかけて「ここでは成功者と何者でもないもの(つまり敗者?)が交差する」と発言し、物議を醸した。未来の成功を夢見る起業家たちが集う場所とはどんなもの? 好奇心を胸に、一般開放されているPassage Louiseへ足を踏み入れた。
現在このエリアでは、2月にStation Fへ参加を始めたばかりのGoogleが期間限定で、さまざまなアトリエを無料で開催中(5月中旬まで予定)。主目的はやはりスタートアップ支援だが、Station Fの関係者以外でも参加できるのがうれしい。スタートアップという言葉は若者や学生を連想させるけれども、この日は60代くらいまでの「新たな挑戦をはじめたい」男女約20名が参加。Googleアナリティクスの解説に熱心に耳を傾け、たくさんの質問をぶつけていた。その他、パリで人気のコワーキングカフェAnticafé、近々オープン予定の巨大レストランMamma F、セルフサービスで人混み知らずの郵便局も、誰でも利用できる。
机上の都市計画はあれど、実際に街を動かし、変化させていくのは、やはりそこで暮らす人々。これからパリのデジタル地区と住人たちが、一体どんな化学反応を起こしていくのか?楽しみです。(裕)
Station F
Adresse : 5 parvis Alan Turing, 75013 Parisアクセス : M°Chevaleret
https://stationf.co Google @Station Fの詳細・予約: g.co/stationF