Lille Métropole Musée d’art moderne, d’art contemporain et d’art brut(LaM)
リール・メトロポール近現代とアール・ブリュット美術館
デュビュッフェが蒐集したコレクションはパリに拒否され、1967年に貴重なコレクションはスイスのローザンヌ市へ寄贈された。その後、その文化的損失を埋めるべく誕生したのが、マドレーヌ・ロメルら3人の芸術家によるコレクション「ララシーヌ L’Aracine」。デュビュッフェ同様に、やはりアール・ブリュットの価値を発見するのは芸術家の審美眼だ。こちらは紆余曲折を経て、2010年9月に国のコレクションとしてリール市の現代美術館の別館に迎えられた。現在フランスでは最大のアール・ブリュットのコレクションを誇る最重要拠点に。現在170人・3500点の作品を所蔵。主な所蔵作家はアロイーズ、フルーリ・ジョゼフ・クレパン、オーギュスト・フォレスティエ、オーギュスタン・ルサージュ、アンドレ・ロビヤール、ヘンリー・ダーガーなど。同館内にある現代アートやモダン・アートの展示や広い庭園も時間をかけて楽しみたい。
★ アール・ブリュットの重要作家 ★
アロイーズ
1886年ローザンヌ生まれ。統合失調症となり46年間を精神病院で過ごす。ピンクを多用した官能的な愛の世界を描く。デュビュッフェは「彼女は狂人でなく明晰な人。自分で作った巧妙な繭に引きこもった」と指摘。
アンドレ・ロビヤール
1931年ロワール地方ジアン生まれ。19歳で精神病院入院。1964年創作開始。木片や布、缶詰の缶など廃棄物を集めて作る銃で知られる。昨秋、彼についてのドキュメンタリーが劇場公開。87歳の今も現役。
フルーリ・ジョゼフ・クレパン
1875年生まれ。パ・ド・カレー県で井戸掘り業などに従事。1939年に不思議な声を聞く。それは「300枚の絵を描けば世界平和が訪れる」というもので、実際に描き終わった翌日にナチスが降伏。霊媒系作家の代表格。
■ リール LaMへの行き方
【交通】パリ北駅からリール駅まで列車で約1時間。
リールから地下鉄1番線に乗りVilleneuve d’Ascq-Hôtel de Ville駅下車、または2番線Fort de Mons駅下車後、ともにバスで L.A.M停留所下車。
www.lilletourism.com
1 allée du Musée 59650 Villeneuve-d’Ascq
火~日 10h-18h 10€/割引 7€
www.musee-lam.fr