Train direct pour Auvers-sur-Oise
オヴェール・シュル・オワーズにあるオヴェール城では、「ゴッホ、最期の旅」展が開催中（電車情報の下）。でも行くのが大変そう。。。と思っている人に、5月1日から《印象派列車》が運行されるお知らせです。北駅からオヴェール・シュル・オワーズ駅まで直行。
運行期間：5/1〜10/27の土・日、祭日。
*5/11-12、6/1-2、6/8-9 は工事のため運休。
行き ▶️ パリ北駅（Gare du Nord ）発 9h38 – オヴェール・シュル・オワーズ着 10h22 (44 min)
帰り ▶️ オヴェール・シュル・オワーズ発 18h15 – パリ北駅着 18h50 (35 min)
Van Gogh, les derniers voyages
「ゴッホ最期の旅」
Vincent Van Gogh (1853-90) Mademoiselle Gachet dans son jardin
Samedi 31 mai ou dimanche 1er juin 1890
46,0 x 55,5 cm Paris, Musée d’Orsay Don de Paul Gachet fils, 1954
© musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt.
ゴッホが最期の2ヵ月間をすごしたオヴェール・シュル・オワーズの町でも「ゴッホ、最期の旅」展が開催中。展示会場はゴッホが作品中に描いたオヴェール城だ。
タイトル中の〈最期の旅〉というのは、1886年から90年までのゴッホのフランスでの足どり全体をさしている。モンマルトルから南仏アルル（1886〜88）、そこから同じく南仏サン・レミ・ド・プロヴァンス（サン・ポール・ド・モゾルの精神病院 1889〜1890）、そしてオヴェール・シュル・オワーズに来てから最期をとげるまで（1890年5月20日〜7月29日）の「旅」。
その期間、ゴッホは何を見て、どんな人と出会い影響を受け、どんな作品を描いたのか？… モンマルトルの丘ルピック通りにあったゴッホ兄弟のアパルトマンの雰囲気を感じられる部屋があったり、モンマルトル大通りでテオが版画を売っていたグーピル商会を彷彿とさせる部屋もあったりと演出にも凝っている。絵の具商タンギー爺さんや愛人だったアゴスティーナ・サガトリ、アルルで共同生活もしたゴーギャン、ロートレックらとゴッホが交わしたであろう会話が聞こえる部屋、ゴッホが収集していた浮世絵のコレクションとそれをもとに描いた絵画が壁を覆った小さな部屋などもある。
パリから30kmほどの距離にあり、1846年には鉄道が敷かれたオヴェールとその周辺にはすでに多くの画家たちが住み、活動していた。ゴッホの作品は本物はないが、アムステルダムのゴッホ美術館が制作しヴァル・ドワーズ県に寄贈した精巧なコピー〈Museum Editions〉、ゴッホと付き合いがあった画家たちの絵を各美術館から借りて展示し、当時のアートシーンを感じられる部屋もある。
耳を切ったり、ピストル自殺など、極端な激しさを感じさせるが、キュレーターは「ゴッホには貧しい画家、狂気の画家という伝説がつきまといますが、子ども時代はよい教育を受け、いくつもの言語をあやつり、自身は金欠でも弟のテオに送金をさせサンレミでは大きな建物全部を借りていたりした。そして、自分の作品の価値を理解していた」という。
展示最後の映写室では、ヴィンセントの弟テオの妻、ヨハンナに関するフィルムも見られる。ゴッホの死後5ヵ月ほどでテオも他界するが、ヨハンナはテオとヴァンサンの手紙を整理して書簡集にしたり、1905年にゴッホ展を開催するなどして、ゴッホの作品を世界に知らしめた人だ。
Balade sur les pas de Van Gogh
展覧会のほか、オヴェール・シュル・オワーズ散策もたのしめる。
Acquis avec le concours de Paul Gachet et d’une donation anonyme canadienne, 1951
© Musée d’Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt
ゴッホがオヴェールに住んだのは70日間ほどだが、その間だけで74作品もの秀作を描いた。街には、ゴッホが作品に描いた場所が多くのこされている。ゴッホが住んだラヴー亭、市役所、うつを診てもらい、絵も描いていたガシェ医師の家、教会、麦畑。ゴッホ兄弟が仲よく並んで眠る墓も有名だ。数時間あればすべて歩いて巡って、ゴッホの世界にひたることができるだろう。オルセー美術館での展覧会「Van Gogh à Auvers-sur-Oise オーヴェル＝シュル＝オワーズのゴッホ」を堪能した後なら、作品の世界と実際の風景とが心にしみるだろう。
「ゴッホ、最期の旅」展スタートと同時に、前出ガシェ医師の家も、新しいディスプレーで公開が再開された。絵を描くのが好きだったガシェ医師と息子の絵画や絵の道具もあれば、ガシェ医師の娘がピアノを弾く姿を描いたサロン、庭などが当時を彷彿させる。ディスプレーを担当したのは、「ゴッホ、最期の旅」展のキュレーターでもあり、オルセーでのゴッホ展監修にも加わったヴァウター・ヴァン・デア・ベーンさん。ロックダウン中に、ゴッホが自殺する前まで描いていた木の根のありかを、古い町の絵葉書のなかに見つけ、場所を確定した人だ。2024年9月29日まで。
☞ オルセー美術館ゴッホ展。多作だったオヴェール・シュル・オワーズ最期の２ヵ月。
Château d'Auvers
Adresse : Rue de Léry , 95430 Paris , FranceTEL : 01 34 48 48 48
アクセス : 国鉄Auvers-sur-Oise駅から1kmほど
URL : https://www.chateau-auvers.fr/
展覧会10h-17h。12€〜7.5€、0〜6歳無料。公園は入場無料で、11月〜3月は火〜日9h-18h30。
