Normandie Impressionniste – Possible jardin
2年に一度開催される「ノルマンディー印象派フェスティバル」。毎回趣向を凝らし、ノルマンディー地方全域の美術館、公園などで、印象派の画家展、また、印象派ではなくても印象派とテーマや視点などの共通項を持つアーティストの展覧会が多数開かれる。今年は、パリから行きやすいルーアンのイベントを紹介しよう。
会場は旧市街にあり、徒歩で回ることができる。すべて無料なのも嬉しい。
① 草地、空中庭園
Meadow, jardin suspendu

オランダのデザイン工房「スタジオ・ドリフト」によるインスタレーション。天井から花の形の照明を吊り下げ、花が閉じたり開いたりする。花びらの色は赤、黄色、青などさまざまで、開く時間をずらしたあるため、いつ見ても開花している花がある。ダリアのように見えるが、特定の花の品種をモデルにしてはいないそうだ。
会場は、古い教会をイベント会場にした「ネフ」。中世から毛皮や皮の製造販売をする職人の工房が集まっていた地区にある。昔は「皮職人の聖十字 Ste-Croix-des-Pelletiers」教会と呼ばれていた。フランス革命後は市民に売却され、その後、時を経て1951年に市の所有物になり、ジャズやロックのコンサート会場になった。イベントがある時のみ開館している。(9月27日まで)
La NEF:22 rue Sainte-Croix-des-Pelletiers, 76000 Rouen
水〜日:14h-19h 9月は土日。無料。
www.lanefrouen.fr/accueil
② サラ・ムーン 〜 自然を元に
Sarah Moon , 《 D’après Nature 》

1941年にノルマンディーのヴェルノンで生まれた、世界的に有名な独学の写真家。ロンドンやパリでファッションモデルとして活動したが、1970年代にファッション写真を始め、80年代半ばにギャラリーで写真を発表するようになった。ノルマンディーから英仏海峡にあるガーンジー島まで旅したアーティスト・レジデンスの中で生まれた新作と、植物をテーマにした過去の作品で構成した展覧会。風景にも動植物にも、どこかはかなく、ちょっと胸が詰まりそうな悲しさと寂寥感がある。(9月26日まで)
Centre photographique Rouen Normandie:15 rue de la Chaîne, 76000 Rouen
火―土14h-19h。無料。
www.centrephotographique.com

③ ジャナイナ・チェッペ
Janaina Tchäpe

ドイツ系ブラジル人アーティスト、チェッペ(1973-)の絵は巨大で、中に引き込まれるような静けさがある。その点、オランジュリー美術館にあるモネの「睡蓮」に似ている。2020年にはオランジュリーで展覧会を開いた。モネの感性に近いものがこのアーティストにもあるようだ。描かれているものは抽象的で、動物でも植物でも鉱物でもない。ブラジルの自然の中で感じ取ったものを表現していく。静けさだけでなく、うねりや嵐が感じられる作品もあるのは、スケールの大きな自然からインスピレーションを得ているからだろうか。
会場となるギャラリーの一帯は、昔は墓地だった。飢饉、戦争、ペストなどで亡くなった人を葬るために14世紀に墓地の建設が始まり、16世紀に収容できなくなった骨を収める納骨堂の建物が墓地を囲む形でできた。17世紀以降は学校として使われ、現在は歴史的建造物となり、観光客が絶えない。ギャラリーはその一角にある。(9月27日まで)
Galerie Telmah, Aiîre Saint-Maclou :
186 Rue Martainville, 76000 Rouen
火〜日、14h-18h。 無料。
④ 蜷川実花 百花繚乱
Mika Ninagawa Floraison sauvage

ルーアンの大聖堂では、写真家、蜷川実花のプロジェクションマッピングが見られる。桜の花、藤の花、アネモネ、ダリアなどが色鮮やかに咲き乱れ、降りてくる。東京タワー、人の群れなど、日本の都市風景も映る。華麗なシーンが次々と現れ、万華鏡を見ているような夢の時間だ。(9月26日まで)
Parvis de la Cathédrale de Rouen
9月は金と土、21h30。無料。
