3月21日、NGOの「非暴力活動 COP21(ANV – COP21)」の活動家10人が警察から尋問を受け、そのうち数人が逮捕され、家宅捜索を受けた。理由は市庁舎にある大統領の公式写真を取り外したから。その様子をビデオに撮った人も尋問された。
政府の気候変動への無策を提訴するため、200万筆を集めた署名運動「L’affaire du siècle 世紀の問題 」に対する政府の返答を不満とし、このNGOが2月21日に始めた運動が、象徴的に大統領の写真を外す「マクロンを外そうSortons Macron!」だ。
「何も対策を講じない大統領は不在も同然。だから壁を空白のままにしておく。気候と社会の変動に対して緊急に対策が必要なことを政府と世論に訴えるのが目的」と同団体のスポークスパーソン、レア・ヴァヴァスールさんは話す。外した写真は、生態系を破壊するとして反対運動が起きているストラスブール西の高速道路建設現場に持っていき、建設を進める政府の責任を問うために使われたりした。
3月23日の時点でパリ、リヨン、ボルドーなどで27枚の写真が外され、24人が逮捕され、14人が起訴されている。アルザスの町役場から写真を外した男性は職場で逮捕され、手錠をはめて警察に連行された。裁判は6月26日に始まる。(羽)