14区、地下墓地カタコンブの近く。商店街と飲食店でにぎわうエリアの一角にオープンしたばかりの韓国料理レストラン。
店名 KWON は、過去17年間、パリで2つの韓国料理店を経営してきたオーナーのクォンさんの苗字だ。「これまでにない、オリジナリティあふれる一軒を」と、5カ月がかりの大工事を施し、2カ月間シェフとともに試行錯誤を繰り返してメニューを開発したという意気込みが伝わる。
パリの韓国料理店らしからぬ、ネイビーが印象的なインダストリアル調の内装でまとめられた店内。テーブルに着くと、ゴールドに輝くカトラリーが目を引く。
「韓国の伝統的な真鍮の食器で、朝鮮時代の王宮でも使用されていたもの。真鍮には抗菌作用がある上、温冷どちらも保ちます。箸置きからお皿、ボウルまで、すべてオーダーメイドしました」
クォンさんの《本物志向》は、もちろん食材選びにも現れる。野菜は国産、牛・豚・鶏肉は欧州産に限り、高価なサーモンも冷凍ではなく生の大きな塊を仕入れているとか。そんなこだわりが詰まった料理たちは、なるほど、どのひと皿も見た目から美しく、いかにもフレッシュで、食欲が刺激されるものばかりだ。
この日は、ボリューム満点のチャプチェ(14€)、蒸し豚の豆腐・キムチ・白菜添え(20€)、浅葱たっぷりの海鮮チヂミ(17€)をシェアしつつ、豚バラ焼き肉サムギョプサル(40€/2人前)を。カリッと焼きあがったジューシーな肉と一緒に、ニンニク、青唐辛子、辛味噌、人参、韓国料理ならではの6種類の小皿からも自由につまみ、新鮮なサラダ菜に巻いてパクリ。ゴジベリー入りのマッコリ(21€/ボトル)でさっぱりと流しこめば、またすぐ次の肉へと手が伸びていく。
アラカルトの他に、平日にはおトクなムニュも。ランチは前菜とメインにカフェまたは緑茶が付いて4種類(14~23€)。ディネはさらにデザートも付いて2種類(29~35€)から選べる。
わざわざセーヌ川を越えて通ってくる顧客もいる、と聞いて納得!