ラウル・ハウスマン『動くまなざし』

Un regard en mouvement

Deux nus féminins allongés sur une plage, 1931-34©ADAGP Paris 2018 Photo © Centre Pompidou, MNAM-CCI,
Dist. RMN-Grand Palais / Guy Carrard

ベルリン・ダダの創始者の一人、ラウル・ハウスマン(1886-1971)は造形、写真、舞踏、著作をこなした総合芸術家だ。本展は写真展だが、最初の部屋はダダ時代にフォーカスしており、2月に終わったオランジュリー美術館の「ダダ・アフリカ」展の続編のような感がある。

 ハウスマンはウィーン生まれ。1918年に仲間たちとベルリン・ダダクラブを作った。20年代に本格的に写真に取り組み、海辺の風景などを撮る。浜辺で撮った伴侶のヌードは飾り気がなく美しい。

 30年代、ナチスから退廃芸術の烙印を押され地中海のイビサ島に逃れた。この頃撮った民家の写真はモダンで、イビサを舞台にしたバーベット・シュローダー監督の映画『モア』(1969)の一場面のようだ。

Maison paysanne (Can Rafal) 1934 © Musée départemental d’art contemporain de Rochechouart ©Adagp, Paris 2018

歴史に翻弄された人生によるものか、ハウスマンの写真にはどこか寂寥感が漂う。戦後、アメリカへの移住がかなわず、39年から住んでいたリモージュで没した。(羽)

5/20まで 月休


Jeu de Paume

Adresse : 1 pl. de la Concorde, 75008 Paris
URL : www.jeudepaume.org/
(チュイルリー公園内)