
強姦や性暴行の犯罪に関して、被害者の「不同意 non-consentement」がその要件になることが明記された刑法改正法が11月6日に公布された。この改正法は10月23日に国民議会で可決され、29日には上院で満場一致で可決されていた。
同意の有無を強姦などの要件に含めることは、夫に薬物で眠らされた女性が多数の男に強姦されたマザン事件の裁判で、被害者の暗黙の了解があったとする被告の主張などから議論が活発化。今年1月には国民議会の女性権利委員会の2人の女性議員が強姦の要件として「不同意」を加えるべきとの報告書およびそのための刑法改正案を提出した。これまでの刑法では、強姦とは「暴力、強制、脅迫あるいは不意打ちによる性的挿入」を行なうことと定義されている。改正後の刑法の強姦の定義では、「不同意のあらゆる性的挿入」とされ、「その“同意”とは、自由で明確、固有であり、取り消しうるものである。……犠牲者の沈黙や無反応から推論されるものではない」。「暴力、強制、脅迫あるいは不意打ちによる性的行為には同意は存在しない」と書き換えられた。つまり、暴力、強制などが立証できなくても、被害者による暗黙の了解を加害者が主張するケースでも、被害者の明確な合意がなければ強姦を立件できるようになる。
法改正により被害者側が「不同意」であったことを証明しなければいけなくなるとか、精神的支配によって意に沿わない同意を強いられることを懸念する法改正への反対意見もあったが、さまざまな議論の末、「不同意」の概念導入の機運が高まっていた。

強姦や性的暴行罪への「不同意」の概念の導入はすでにカナダ、スウェーデン、スペインなどが採用している。エコロジスト党の上院議員メラニー・ヴォジェル氏は、法案成立後、「強姦の文化を同意の文化にすべき」「Ouiと言わないなら、それはNon。恐怖からOuiと言うのもNon。自由なOuiのみが有効だ」と述べた。女性の肉体は男性に提供されるものであり、無言の同意を推測できるといった何世紀も続いてきた「強姦の文化」が変わっていくことが期待されている。(し)


