3月25日(日)
室内楽、特にチェロの響きがたまらない人に吉報です。ノルウェー生まれのチェロ奏者、トルルス・モルクは円熟の56歳。10年ほど前にシャンゼリゼ劇場でシューマンの協奏曲を聴いたが、この曲の持つ情感をしっとりと歌うときの、これ見よがしでない品のよさに心を打たれた。今回のパリ公演はグリーグとラフマニノフのチェロソナタ。
モルクと同郷のグリーグの曲は、北欧を思わせる沈んだ哀愁を持った作品で、しっかりとした構成には欠けるけれど、幻想的なメロディーが次から次へと現れる。グリーグ自身優れたピアニストだけに、チェロと対話するピアノの役割が大きいが、ウズベキスタン出身で、日本公演でも好評を博した、27歳の新鋭ピアニスト、ベフゾド・アブドゥライモフが共演する。
ラフマニノフの曲は、1901年、彼がうつ病から立ち直った頃の作品。第1楽章のイントロなど、あまりに暗くて気が滅入りそうなところもあるが、有名なピアノ協奏曲第2番と同時期の作品だけに、若々しい情熱もほとばしる35分近い傑作だ。(真)
3月25日11h。 早めに予約。
30€/15€ (26歳未満) / 無料 (9歳未満)。
Théâtre des Champs-Elysées
Adresse : 15 av. Montaigne, 75008 Paris , FranceTEL : 01.4952.5050
アクセス : M°Alma Marceau
URL : www.theatrechampselysees.fr