
LE TRÉSOR DES BÂTISSEURS – Sur les traces du génie égytien
「未知」という言葉にロマンを感じるのは、人間の性ではなかろうか。
1870年に発表されたジュール・ヴェルヌの『海底二万里』から155年。
1944年に宇宙空間へ初めて到達したV2ロケットから81年。
人は今もなお、謎に満ちた領域に心をときめかせ、探究の歩みを止めない。
その「神秘」と呼ぶべきロマンの一つに、古代エジプトがあるように思う。

ミイラを題材にした物語は数知れず、いまだ多くの謎に包まれたピラミッドは、毎年多くの旅行客を魅了し続けている。日本でもエジプト展は毎年のように開催され、古代エジプトを舞台にした小説やゲームなどの創作作品も後を絶たない。
このように広く親しまれている古代エジプトだからこそ、長年の研究に基づいた「真実」を伝えることの重要性はますます高まっているのだと、ハーバード大学のエジプト学者ピーター・ダー・マニュエリアン氏は言う。彼が監修に携わったVR作品『Le Trésor des Bâtisseurs(建設者たちの秘宝)』では、4500年前のエジプトへ赴き、ピラミッド建設の謎に直接触れることができる。今回の作品は、2022年に発表され大成功を収めたVR作品『L’Horizon de Khéops(クフ王の地平線)』のスピンオフともいえる、クフ王のピラミッドに焦点を当てた作品だ。

ピラミッドはどのように建設されたのか。
その内部には何が眠っているのか。
そもそもピラミッドとは何を意味するのか。
そんなロマンあふれる謎解きの旅へと誘ってくれるのが、この没入型VR作品の魅力だ。マニュエリアン教授と同大学「ギザ・プロジェクト」チームが製作に加わったこの作品は、建築学的・科学的・歴史的データに基づいているが、単なる情報の共有に終わらない。少しドジだが好奇心旺盛なガイド・モナ、太陽の船で時空を旅する手助けをしてくれる猫の女神バステト、そして旅の目的を挑戦状という形で提示してくれる守護者などが登場し、参加者が「物語の一員」として体験できるよう工夫が凝らされている。

タイムマシーンが発明されることは当分なさそうだが、現代の技術によりVRで時空を旅することはできる。参加者は映像の美しさ、情報の豊かさ、そして猫の女神に誘われ古代エジプトを旅するという非日常感に圧倒されることだろう。この冬は4500年前のエジプトへ、ちょっとした謎解きをしに出かけてみてはいかがだろう。
※「L’Horizon de Khéops(クフ王の地平線)」も同時開催中。
※ ボルドーとリヨンの同施設でも開催中。

Eclipso Paris
Adresse : 45 rue des Pirogues de Bercy , 75012 Paris , FranceTEL : 01.8573.3793
アクセス : Cour Saint-Émilion
URL : https://eclipso-entertainment.com/en/paris/tresor-des-batisseurs/
入場は8歳以上。【営業時間】月〜金 : 14h-20h 土日 : 10h-20h 【料金】32€ /25€(4人以上で入場すれば1人につき25€に。【所要時間】1時間。



