Kristian Bezuidenhout
チェンバロの後に登場した鍵盤楽器フォルテピアノは、皮で覆われた軽いハンマーが細めの弦をたたく。ピアノ同様、奏者のタッチにより音の強弱に変化をつけられるがピアノより音色は軽快で低音域も重くなく明るい響きでハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどが愛用した。
現在のフォルテピアノの一人者は南ア出身のクリスティアン・ベザイデンホウト。彼のモーツァルト全集は、微妙な間のとり方や細やかなタッチの使い分けから生まれる優雅さで一級品。今回はハイドンとベートーヴェンがプログラム。ハイドンの変奏曲ヘ短調は陰影豊かな曲で、フォルテピアノならではの各音域の音の多様さに耳を傾けたい。
ベートーヴェンは、2曲のロンド、ピアノソナタ7番と8番『悲愴』というプログラム。7番はまだまだモーツァルトの影響が大きいが、『悲愴』での劇的で抒情あふれる旋律は、ベートーヴェンならでは。フォルテピアノはペダルがなくレガートが出せないが、その分、音の一つ一つがみごとに際立って心に訴えかけてくるだろう。おすすめで~す。(真)
11月14日 (土)16h。20〜5€。
Théâtre des Abbesses
Adresse : 31 rue des Abbesses, 75018 ParisTEL : 01.4274.2277
アクセス : M°Abbesses
URL : www.theatredelaville-paris.com