
環境活動家グレタ・トゥンベリさん、フランスの欧州議会議員リマ・ハサンさんら12人が乗った人道支援の船「マドリーン」号が6月9日、イスラエル軍によって拿捕された。マドリーン号は国際的な市民団体「自由の船連合(Freedom Flotilla Coalition)」の帆船で、6月1日にイタリアのシチリア島を出発、人道支援物資を載せガザへ向けて国際水域を航行していたところを拿捕された。
マドリーン号は、イスラエルによる封鎖で危機の状態となっているガザへの海からの物資調達が名目ではあるが、社会の目をガザ住民のおかれた惨状に向けさせるのが狙いで、スェーデン、フランス、ドイツ、ブラジル、トルコ、オランダなどの国籍の活動家12人が乗っていた。「自由の船連合」の船は今年5月にもイスラエル軍の攻撃を受けており、2010年には攻撃で死者も出しているため、今回は出航前からSNSで航行をフォローするように広く呼びかけていたた。

拿捕が報じられると、マドリーン号の解放を求める集会がパリをはじめフランス170ヵ所以上で行われ、パリでは5万人(警察発表2万5千人)、全国で15万人が参加。国際水域を航行する船の拿捕と、活動家たちを拘束することは国際法違反だとし、解放を訴えるとともに、ガザ封鎖と殺戮を一刻も早く止めるためには市民が運動するべき時だと訴えた。
イスラエル政府は、拘束した活動家たちをテルアヴィヴの空港からそれぞれの国へ送還するとしているが、6人のうち5人の活動家は送還を拒否していると報じられている。
