「Pour un musée en Palestine」展
パレスチナには国立美術館がない。国立近代・現代美術館を作るためにアーティストたちに寄贈を呼びかけ、集まった作品を展示したのがこの展覧会だ。
発端は12年前にユネスコで行ったパレスチナとの連帯を表明した現代美術展で、回を重ねるなかで国立美術館構想が出てきた。2016年、母体となるNGO 「パレスチナ近代・現代美術館協会」をフランスで作り、パレスチナのユネスコ大使が会長に就任。コーディネーターはアーティストのエルネスト・ピニョン=エルネスト氏で、絵画、彫刻、写真、具象、抽象、コンセプチュアルアートなど、あらゆる分野と潮流のアートを集めるようアドバイスしている。氏はアパルトヘイト時代、アパルトヘイトに反対するアーティストたちが開いた巡回展のまとめ役。展覧会をユネスコで始めたのも彼だ。
彫刻、写真、カリグラフィー、油彩、デッサンなどが出ており、エロなど著名なアーティストも出展。寄贈者リストにはカルティエ=ブレッソンの名も見える。ユネスコ公使のムニール・アナスターズ氏は「連帯のために寄贈してくれるので、作品を断ることはない」と言う。美術館入りは名誉だが、パレスチナとの連帯表明で親イスラエルのコレクターからそっぽを向かれる可能性もある。その覚悟がある人が寄贈するのだろう。(羽)
月休 展覧会は2018年5月13日まで。
Institut du monde arabe
Adresse : 1 rue des Fossés Saint-Bernard , 75005 Paris月休 展覧会は5月13日まで。