欧州連合(EU)は4月7日、キエフ近郊ブチャでの市民300人以上の虐殺事件を受けて、ロシアへの制裁第5弾を決めた。主な内容は以下の通り。
ロシアの石炭の輸入停止
ドイツなどの要望を汲んで8月半ばから。新たな供給契約は4月8日から禁止。EU委によるとこの制裁により、石炭輸出によるロシアの収入は年間80億€減ることになる。
ロシアの船舶のEU諸国の港への入港禁止
農産物・食品、人道支援物資、エネルギー関係は除く。ロシアとベラルーシの貨物トラックがEU域内に入るのも禁止。
戦略的製品のロシア輸出停止
量子コンピュータ、半導体、ハイテク電子製品、ソフトウェア、輸送機器、ケロシンなど。総額で年間100億€。
一部のロシア製品の輸入禁止
木材、セメント、肥料、海産物(キャビアなど)、ウォッカなど、年間で総額55億€相当。
資産凍結とEU入域禁止の対象を追加
この制裁の対象はこれまで877人だったが、オリガルヒやロシア政権に近い人物217人を追加(プーチン大統領の娘2人含む)。EU委の試算によると、これまでに約295億€の資産が凍結された。