2016年カンヌ国際映画祭に初参加し、〈ある視点〉部門審査員賞を受賞した『淵に立つ』の深田晃司監督。フランス政府からは芸術文化勲章シュバリエなども受勲しているせいか、なぜかフランス在住者としては親近感を感じるのだが、この夏は、その深田監督の作品5作が劇場公開されている。
『ほとりの朔子』(2013)、『さようなら』(2016)、『よこがお』(2019)など、すでにフランスで公開された作品に加えて『歓待 Hospitalité』(2010)と、『海を駆ける Le Soupir des vagues』(2018)が初公開。
東京下町の小さな印刷所を営む夫婦。そこに、一見感じはいいが、どこか調子がよすぎる男が現れて、いつの間にか夫婦はその男との同居を始めてしまう。妙な状況になったな……と思っていると、今度はその男の妻がやって来て……。来訪者ふたりはじわじわと、印刷所の仕事ばかりか、夫婦の生活にまで入りこんできて、かき回す『歓待』(2010)。
8月に公開になったのが、インドネシアはスマトラ島、バンダ・アチェを舞台としたファンタジー『海を駆ける Le Soupir des vagues』だ。監督が脚本を手がけ、小説も書いている。スマトラ島大津波後、復興のために現地で働く日本人女性と息子のもとに、日本から親戚の若い女性がやってくる。そんな時、浜辺に日本人らしき男が打ち上げられ、彼らはその謎の男の身元を探し始める。記憶喪失なのか、何か企んでいるのか……身元を探しているうちに、彼らの周辺で、不可思議な現象が起こりはじめる。
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